
どうも、ノマドクリエイターのショウヘイ( @shohei_creator )です。



ブログアシスタントのふーちゃんです。
電子書籍の普及に伴い、最近では自分で小説を販売できるプラットフォームが増えてきています。
小説とはいえ、有料の商品を販売することには、変わりありません。誰かに商品を売って稼ぐためには、適切な商品企画を練ったうえで、社会心理学を利用したマーケティング戦略を立てる必要があります。
今回の記事では、 Kindle ・パブー・ BookBase など、小説の電子書籍を有料で販売できるサイトで稼ぐための戦略とテクニックを紹介します。



私は、ココナラというスキルフリーマーケットにて、ビジネス系の PDF レポートを販売して稼いだ経験を持っています。
もちろん、私個人の信用だけで、取引をおこなっていました。取引件数は、 1500 件を超えていますね。
マーケティング論という意味では、記事の有用性は高いかと。



ショウヘイさんがココナラで実践してきたマーケティング戦略などは、こちらの記事で紹介していますよ。


そもそも、読者が小説を読む理由は何?
誰かに小説を有料で販売するのですから、まずは「なぜ、読者は空想の小説を読むのか?」という読書の根本の動機を理解しておきましょう。
読者が小説を読む目的は、小説の登場人物を通して、自分が現実世界で満たせなかった願望を擬似的に叶えるためです。
たとえば、現実世界で異性にモテた経験に乏しい人は、いわゆるハーレム展開の小説を好んで読むようになります。小説の主人公を通して、魅力的な多くの異性から好意を寄せられる感覚を得られるので、「異性からモテたい!」という願望を叶えられるからです。
空想の物語を通して、自分が抱えている願望を擬似的に叶えることで得られる快感をカタルシスと呼びます。
あなたが有料で小説を販売したいなら、想定する読者が現実世界に抱いている願望・不満を読み取ったうえで、濃密なカタルシスを得られる物語を組むことを大前提にしてください。
小説のカタルシスについては、こちらの記事で詳しく説明しています。





Web 小説と言えば、現実世界にいる主人公が異世界に転生・召喚される設定が大人気ですよね。
あれだけ流行るってことは、多くの読者さんが現実世界に抱いている願望を叶えられる設定が豊富ってことでしょうか?



異世界系のネタが流行っている理由は、『現実世界で努力しなくても、ほどほどに生きられる時代になった』から。そして『泥臭く努力することは面倒だし、必ず報われるわけでもないと発覚した』からだと思うよ。



と、言いますと?



ひと昔前なら、『良い大学に入って、良い企業に就職して、社内で頑張って昇進する』という筋書きが、成功とみなされていたんだ。
たとえ大企業に入れなくても、企業に勤めて昇進していくことが、人生の成功であると信じられていた。



ただ、今の時代は、どれだけ泥臭い努力をしたところで、企業でも人生でも報われない……ということが分かってしまった。主に、 SNS の普及によってね。
一方、 YouTuber を代表例に、人生を楽しく生きつつ経済的にも成功している人の存在も、広く認知されるようになった。
……となると、「真面目に働くことって無意味じゃね? 自分が会社でストレスを溜めながら頑張っているのに、自分よりも楽に大金を稼いでいる人もいるし、なんか自分が馬鹿みたいだ」と考える人が一気に増加するわけだ。



あ、あー……なんとなく共感できます。
ゲーム実況者なんて、楽しくゲームで遊んでいる映像を配信しているだけで、一般サラリーマンよりも大金を稼いでいますからね。



だからと言って、自分で起業して稼ぐとなると、そもそもやり方が分からない。どんな強みを活かせばいいのかも分からない。失敗も怖い。面倒そう。
そんなもんだから、現実世界に嫌気が差している人が大量にいるんだ。
そんな人たちとっては、異世界を舞台にして、労せずして手に入れた特殊な技能や才能で大活躍できる物語は、自分が現実世界に抱いている不満を的確に解消してくれるってわけ。



なるほど!
だから、今は異世界を舞台にして転生・召喚の物語が流行っているってわけですね。



VRMMO 系の物語が流行っている理由も、根底は同じだね。
読者が現実世界に抱いている願望を叶えたり、不満を解消できたりする設定があれば、その小説を読者は好んで読むようになるよ。
小説を有料で売りたいなら、この事実を念頭に置くことが必須だね。
稼げる金額を重視するなら R18 小説を狙え
小説を有料で販売して稼ぐことを重視するなら、特定の性癖に突き刺さるような R18 系のジャンルを狙うことをオススメします。


先ほども説明した通り、読者が小説を読もうとする動機の本質は、『小説の登場人物を通して、自分が現実世界で満たせなかった願望を擬似的に叶えるため』です。
つまり、異種間の恋愛や倒錯した遊びなど、現実で実現することが極めて困難な R18 系の設定は、小説のような空想の物語で取り扱うジャンルとして適しています。
また、性的な要素は、人間の三大欲求の性欲を満たせるものです。その意味では、 R18 系の小説は、有料で販売しても売れる見込みが(比較的に)高いと言えます。



ただまあ、売上の金額だけを重視して、性的倒錯を詰めこみまくった官能小説を書き続けていると……。たぶん、あなたの心が病んでいくと思いますね。
お金のためだけに、良心に反するような設定の小説を書き続ける生活……耐えられます?
そもそも自分の性癖と一致しているか、あるいは官能小説の執筆に適性のある人でないと、高確率で筆を折ることになると思いますね。



稼ぐためには、仕方のないことなのかもしれませんが……。
読者さんから「あ、あの●●●な官能小説を書いている小説家だ」と認知されることも、なんだかんだ心に来ると思いますよ。
あなたが狙う小説のジャンルを決めよう【なるべく需要の多いジャンルを狙うべし】
小説を有料で販売して稼ぐことを重視するなら、読者の需要の多いジャンルを狙うことが鉄則です。
現在であれば、いわゆる異世界転生・召喚ものであったり、現実世界を舞台にした異能学園系やファンタジー系、またはラブコメを狙うことが基本になります。
小説を有料で販売して稼げる金額は、ジャンル選びによって 9 割は決まると思って構いません。
当たり前の話ですが、ラブコメが好きな人は、ラブコメの小説を好んで読みます。ラブコメが好きな人が多ければ多いほど、ラブコメの小説が買われやすくなります。
つまり、特定のジャンルを好む読者数の多さによって、そのジャンルを取り扱う小説で稼げる金額の上限も決まるわけです。



読者の需要というパイを作家同士で奪い合うわけだから、パイが巨大なジャンルで小説を販売した方が、より多くのパイを得やすくなる。
だから、多くの読者が好むジャンルを取り扱って、小説を書くことが大切なんだよね。
たとえテンプレ小説と言われようと、異世界ネタの流行に乗っかること自体は、正しい選択。



でも、それだけ競合となる他の小説家さんも多くなりますよね?
差別化を意識するなら、競合のいないニッチなジャンルで勝負した方が、結果的に稼ぎやすいのではないでしょうか。



難しいところ。
そもそも小説を好んで読む人が少なくなってきている現状、ニッチなジャンルを狙おうものなら、本当に稀にしか売れなくなりそうなんだよね。
ニッチなジャンルってことは、そもそもの読者の需要量が少ないからね。自分が得られるパイも、必然的に少なくなる。



基本的には、人気ジャンルを攻めることを前提にして、他の小説と差別化できる戦略を練った方が良いってことですね。
あなたにとっての想定読者を明確に決めよう
あなたが販売したい小説のジャンルが決まったら、今後は想定する読者を明確に描きましょう。
たとえば、同じラブコメというジャンルであっても、それぞれの読者が好むラブコメの展開は、微妙に違います。
10 代の少年少女による学園ものの展開が好きな読者もいれば、成人した男女たちによる愛憎入り乱れる展開が好きな読者もいます。
また、ラブコメと言っても、人間同士の恋愛に限った話ではないでしょう。エルフ・吸血鬼・半獣人など、人外の存在とのラブコメを好む人も必ずいます。


想定する読者の趣味趣向を始めとして、性別・年代・年収・職業・健康状態・家庭環境・友人関係・恋人の有無・人生の悩みなど、細かな属性を紙に書き出してみましょう。
あなたの小説の読者を明確に描けば、読者が小説に求めているカタルシスも、自然と明確になってきます。すると、登場人物の設定や物語の展開も、必然的に決まってきます。
反対に、明確に読者の姿を描かずに小説を書いてしまうと、特定の読者の心に突き刺さらない、中途半端な作品に仕上がってしまいやすくなります。もちろん、小説は売れにくくなります。



何も考えずに小説を書いていると、自然と『自分にとって好みの登場人物と場面展開』に寄っていきます。
小説投稿サイトに無料で公開する小説であれば、それでも構いません。
でも、小説を有料で販売するつもりなら、読者の好みを最優先にしてください。



有料の小説を書く……つまり商品を開発するのって、ユーザーファーストが基本なので。
私情を殺して、ひたすらに消費者の需要に応えることこそ、プロに求められる姿勢です。



自分の書きたい小説を書いて、かつお金も稼げたらいいな~……なんて発想は、さっさと捨ててください。
ビジネスの世界には、ご都合主義も魔法もありません。すべてが理屈の上に成り立っています。
売れないことをやったら、売れない結果が跳ね返ってきます。自分の無能は、すなわち無一文です。



小説の執筆を楽しみつつ、ついでにお小遣いを稼ぎたい……くらいの心持ちでしたら、投げ銭や収益還元の仕組みのある小説投稿サイトを利用することをオススメします。
個人的には、ノベルアッププラス・ノベルバ・カクヨムで連載を始めるといいと思いますよ。


想定読者が現実世界に抱いている願望・不満を洗い出そう
あなたの小説を読む読者が明確に描けたら、『読者が現実世界の生活に抱いているであろう願望や不満』を白紙に書き出してみましょう。
読者が小説を読む目的は、登場人物を通して、自分の願望を擬似的に叶えるためです。すわわち、カタルシスを得ることです。
事前に読者の願望と不満が明確に分かると、小説に求められる登場人物・人間関係・場面展開が決められます。読者の需要に的確に迎合すれば、売れる可能性の高い小説に仕上がります。



小説に限らず、物語形式の娯楽作品の本質は、登場人物を通した擬似体験です。
異世界転生・召喚や VRMMO 系のネタが受ける理由は、多くの人々が『現実世界とは違う舞台で、自分だけの特殊な技能や才能で大活躍して、周囲からの称賛や異性からの好意を得たい』と望んでいるからです。



読者さんが現実世界で叶えたい願望は、小説の物語で叶えてあげましょう。
売れる小説の秘訣であり、必要不可欠な条件ですよ。
小説のコンセプトを決めよう
小説に限らず、あらゆる商品に共通して言えることは、売れるかどうかはコンセプトによって決まるということです。
コンセプトは抽象的な概念ですが、一言で表現するなら、『消費者の需要を満たすための切り口と方向性』です。
小説であれば、コンセプトは『どんな背景を持った主人公が現れ、いかなる特異性を活かして障害を打ち破り、どれほど価値のある宝を手に入れ、結果的に読者に何のカタルシスを与えるのか』を意味します。


コンセプトの重要性について、ダイエットを例に挙げて説明しましょう。
たとえば、ダイエットの結果を『 5kg だけ痩せる』に設定します。
同じ痩せるにしても、『 1 日のカロリー量(食事量)を制限する』と『 1 週間あたりの運動量を増やす』という手段によって、ダイエット過程は大きく異なります。
『 1 日のカロリー量(食事量)を制限する』を選んだ場合でも、『薬の服用によって食欲を抑える』と『 1 日あたりの食事回数を減らす』と『 1 回の食事量を減らす』など、異なる方法が存在します。
また、『無理してでも短期勝負で痩せるのか』と『半年を目安にして、体に負担をかけずに痩せるのか』でも、選ぶべき方法は変わります。
もしも、とある女性が『夏の海水浴に向けて、多少の無理をしてでも、 3 ヶ月で一気に痩せたい』と望んでいるとしましょう。
この女性に対しては、『無理せず長期的に痩せる』というダイエット方法を提案しても、見向きもされません、悠長にダイエットに取り組むことを望んでいないからです。
また、薬を飲むことに抵抗感を持っていたり、あまり費用をかけたくなかったりするなら、『薬の服用によって食欲を抑える』を提案しても、快諾しないことでしょう。



ダイエットの例からも分かる通り、コンセプトの内容によって、消費者の反応は大きく変わります。
たとえ消費者の目的に合致する商品であっても、『目的を達成するための切り口』に興味を示してもらえなければ、商品は売れません。
自分にとっての見込み客を明確にして、その人が強い興味を示すようなコンセプトを立てたうえで、実際に商品を作る……この流れが商品開発の基本です。



どのように小説のコンセプトを作ればいいのかについては、かなり詳しい説明が必要です。
小説のコンセプトの作り方については、こちらの記事を参考にしてください。


小説のテーマを決めよう
長編の小説であれば、明確なテーマを持たせて、物語を作ることをオススメします。
特定のテーマが掲げられている小説には、登場人物の言動や場面展開に、一貫性が生まれます。この一貫性は、小説全体の雰囲気と読者からの印象を決めて、やがて小説のブランドイメージとなります。
小説が売れることを重視するなら、人種差別や宗教問題など、人々が強い関心を寄せている社会問題を小説のテーマとして取り扱うことも有効です。
もともと強い関心を寄せられているので、小説の内容にも、必然的に関心を持たれやすくなります。
ベストセラーとなった成功例としては、【ダ・ヴィンチ・コード】や【ヘルプ ~心がつなぐストーリー~】が挙げられます。



短編の小説であったり、とりあえず試しに小説を有料で売ってみたりしたい場合なら、テーマは深く考えなくても構いません。
小説が売れるかどうかという意味では、コンセプトの方が重要なので。



小説のテーマの見つけ方・決め方については、こちらの記事を参考にしてください。


小説のプロットを組んで、本編を完成させよう
小説を書くジャンル・想定読者の属性と願望&不満・コンセプト・テーマが決まってから、ようやくプロットを組んで、本編を完成させる段階に移ります。
なんとなく小説の構想を思い浮かべて、軽率にプロットを組んで本編を書いてしまうと、高確率で爆死することになるので、注意してください。
小説に限らず、商品が売れるかどうかは、企画段階で決まります。実際に商品を作り、市場で販売する段階は、おまけと捉えておいた方がいいです。
そもそも売れない企画の元に商品を開発したところで、どれだけ宣伝をおこなっても、売れるわけがありません。
売れる理由が無ければ、売れない結果が跳ね返ってきます。



企業に雇われて働いているだけの人だと、あまり実感は持てないだろうけれど……。
事業を起こすにしても、商品を開発するにしても、始めの計画段階が全てなので。
「努力していれば、いつか報われる」なんて、鼻で笑えるほどの幼稚な発想。



先ほども触れましたが、ビジネスの世界には、ご都合主義も魔法も存在しません。
「自分だけは大丈夫、自分は一般人よりも賢い、自分は運が良いほうだ」というナルシストバイアスに惑わされないでくださいね。
思いがけずに上手くいったとしても、その背景には、上手く事が運ぶ必然の組み合わせが存在します。偶然の幸運は、残念ながら無いです。



魔法や異能が登場する空想の物語を書いている小説家ほど、このあたりの冷酷な事実には、納得できないでしょう。
自分の身を以てして、痛みを伴って感じないと、何事も分からないので。



小説のプロットの書き方と人気の物語に共通する 6 つの型については、これらの記事を参考にしてください。




小説のタイトルを決めよう
あなたの小説が読まれるかどうかは、最初に目にするであろうタイトルによって左右されます。
小説のタイトルは、いわば小説の入り口です。入り口の段階で、通りすがりの読者の興味を引けなければ、本編どころか、あらすじすら読まれません。
小説のタイトルは、読書メリット(どんなカタルシスを得られるか)を明記したり、文章形式で大まかなあらすじを説明したり、コピーライティング(文章訴求の技法)を駆使したりなど、とにかく読者の興味を引くことだけを重視してください。



純文学や詩は別として、娯楽に特化した小説を販売するつもりなら、いわゆる『なろう系の小説タイトル』を参考にすることをオススメします。
長ったらしいタイトルは不格好なのですが、なんだかんだ理にかなった手法なので。



読者さんは、まずは小説のタイトルまたは表紙デザインで興味を持ち、あらすじに目を通して興味が強まったら、ようやく本編の 1 話目を試し読みします。
あなたが心血を注いで本編を書いたとしても、本編を読む前の段階をクリアできていないと、無意味なので……。
小説タイトルの出来は、本編の完成度よりも重要ですよ。



小説のタイトルの付け方・決め方については、こちらの記事を参考にしてください。


小説の表紙(カバーイラスト)を用意しよう【外注を推奨】
絵として読者に訴求できる表紙は、その小説が読まれるかどうかに強い影響力を持っています。
絵の質が良ければ、読者の興味を引きやすいことはもちろん、ハロー効果の恩恵も得られます。
ハロー効果(後光効果)とは、はじめに抱いた印象に引きづられて、他のことに対する評価が歪んでしまう人間心理。
小説の場合は、読者が表紙に対して抱いた評価が、小説の本編に対する期待にも影響を及ぼす。
高画力の魅力的な表紙の小説には、「本編の内容も素晴らしいのではないか?」という勝手な思い込みが働く。
小説の表紙は、タイトルと同様に、はじめに目につく要素です。表紙で読者の興味を引けるかどうかによって、本編に目を通してもらえるかが左右されます。
本気で小説を売って稼ぐつもりがあるなら、イラストレーターに有償で依頼を持ちかけて、質のいい表紙を納品してもらうことをオススメします(自分でイラストを描けるなら別ですが)。



イラストレーターと出会えるプラットフォームなら、タノムノ・ SKIMA ・クラウドワークスがオススメです。
安さを重視するなら、タノムノを使うといいですよ。





「小説を売るために、表紙でお金を使うのは、ちょっとなぁ……」と思うなら、小説を有料で販売するなんて止めた方がいいですよ。
初期投資分を回収できるほどの小説を書ける自信を持てないなら、挑戦して挫折感に打ちのめされるよりもマシなので。
そもそも、自分のビジネスについて自己投資できないような人の技能なんて、たかが知れていますし。
小説のあらすじを決めよう
読者は、小説のタイトルと表紙を目にして、少しだけ本編に興味を抱けました。読者がタイトルをクリックして、次に目を通す文章が、小説のあらすじです。
言うまでもなく、読者にあらすじを読んでもらい、本編についての興味を強めることが出来なければ、そこで読者は脱落します。ブラウザバックして、別の作者の小説をあさりに行くでしょう。
小説のあらすじでは、登場人物の背景設定や世界観の細かな設定など、小難しいことを書くべきではありません。
その小説の売り(オリジナリティあふれる設定や意外性のあるコンセプトなど)であったり、登場人物が危機に陥る場面に触れたり、人間が思わず興味を引かれてしまうキャッチコピーを使ったりなど、読者の興味を強めることが重要です。



小説投稿サイトの作品群を用いた統計結果によると、あらすじが 350 ~ 600 文字に収まると、読者から高評価を得やすいようです。
あらすじの役割は、読者を本編の第 1 話に導くための橋渡しです。長ったらしく書く必要はありません。



小説のあらすじの書き方については、こちらの記事を参考にしてください。


小説を無料公開する部分を決めよう
小説を有料で販売するなら、プラットフォームの仕様にもよりますが、無料で読めるページ区間を設けましょう。
もしも無料で読めるページ区間を設定できないなら、無料分を小説投稿サイトで公開しつつ、有料分を販売しているサイトページの URL を設置するようにしましょう。
どこまで無料で公開するかについては、人によって意見が分かれるところです。
個人的には、『物語が不幸から幸福に反転する時点まで』を無料で公開すればいいと思います。
たとえば、バトル要素のある物語なら、『敵から攻撃されて追い詰められた後に、何か有力な手がかり(武器・情報・異能など)を手に入れて、主人公が猛反撃を試みる』という時点です。おそらく、小説の中盤あたりになるでしょう。


読者が小説に興味を持つためには、『感情移入できるほど主人公の情報を得られて、かつ主人公にとっての障害(敵や病気など)が分かり、主人公が何を守るために戦うのかも明らかになっている』という状態が必要です。
可能であれば、主人公の障害に対して、読者が敵意を持つ状況を狙いましょう。つまり、「主人公には、この障害を打ち破って欲しい!」と思わせます。
この心理状態に持っていければ、主人公が攻勢に出ようと動き出した時に、読者は強い関心を寄せるはずです。その先が有料限定になっていたなら、ツァイガルニク効果が働くこともあり、読者は続きが気になって仕方なくなります。
ツァイガルニク効果とは、不完全なものに対して強い関心を持ち、記憶に残りやすくなる人間心理。
人間は不完全なものを不快に感じて、完全なものにしたくなる。
小説を有料で販売するために超えるべき信用の壁
あなたの小説が売れるかどうかは、読者に「この小説なら、●●●円を支払うだけの価値がある」と信用してもらえるかによって左右されます。
読者から信用されるために必要な要素は、何も小説の質だけに限りません。『あなたの小説家としての過去の実績』や『その小説を読んだ読者の高評価の感想』など、さまざまな要素が挙げられます。



「人が多くいるプラットフォームで小説を販売していれば、きっと誰かが買ってくれる」と期待しているかもしれませんが、そんなものはビジネス経験の無い人が抱きがちな幻想なので、さっさと捨て去ることをオススメします。
会社の信用を借りずに、あなた個人の信用だけで有料サービスを販売して稼ぐことは、とても困難なので。
まあ……実際に挑戦してみれば、その事実が分かるでしょう。



苦言を呈するようですが、小説って、商品としては売りにくい特徴が満載なんですよ。
医薬品や道具のように、何か現実の問題を直接的に解決してくれません。また、商品としての質の高低は、パッと見では判断できません。
1 つ 1 つの文字を目で追う手間と時間が必要なので、娯楽物としての魅力にも乏しいので……。



個人の信用だけで自作サービスを販売する時に超えるべき壁については、ココナラでサービスが売れない・稼げない5つの壁&突破方法という記事にまとめています。
もっと詳しく学びたい時には、こちらの記事を参考にしてください。





記事の中で触れていますが、『会社に就職して働き、給料をもらって稼ぐ』という感覚は、『個人の信用だけで、自作サービスを販売して稼ぐ』には通用しません。
会社員は、会社に所属している人間だからこそ、外部の取引先から信用を得られています。つまり、会社ありきの信用です。
社員研修などで学べるマーケティングとは、そもそもの前提が違うので、注意してください。
読者から小説を有料で買ってもらうための販売テクニック集



ここまでは、商品開発という側面から、あなたが書くべき小説の内容について説明しました。
ここからは、『すでに完成している小説をいかにして売るのか』という販売テクニックについて取り上げます。
販売テクニック 1 :自分の小説家としての実績をアピールする【受賞経験や販売部数など】
小説を有料で販売するうえで、最も手っ取り早く読者の信用を勝ち取る方法は、プロレベルの小説家としての実績をアピールすることです。
アピールすべき実績としては、出版社が開催する新人賞の受賞経験・書籍化した小説の具体名・発行部数や実売数・小説の出版によって稼いだ印税額などが効果的です。
実績としては見劣りしますが、小説投稿サイトに投稿している作品が人気作になっていたなら、 PV 数・ブックマーク数・ランキング掲載順位をアピールするのも 1 つの手です。小説家としての力量の高さを推し量る指標になるので、アピールしないよりはマシです。



「アピールできる実績なんて無いよ!」と思うかもしれませんが……。
ビジネスの世界は、過去の実績よって信用が決まるので、素直に諦めてください。
小説投稿サイトからビジネスの世界に足を踏み入れるって、そういう現実と戦うことなので。



生半可な覚悟と実力では、ビジネスの世界で通用しません。
その堅苦しさが嫌でしたら、投げ銭や収益還元のある小説投稿サイトを使って、あくまでも趣味として小説を書いていった方がいいですよ。


販売テクニック 2 :はじめに安売りして、販売実績を増やすことを優先する
小説を売り始めた頃は、なるべく低価格に設定して、まずは販売部数を伸ばすことを優先しましょう。
可能であれば、読者から高評価の感想を集められると、なお良しです。
読者から信用を得るうえで、『すでにその小説を買って読んだ人の数』や『高評価の数』も、とても重要になります。
人間……特に島国に住んでいる日本人は、周囲の人々が抱いている考えや評価に、よくも悪くも左右されやすい傾向にあります。
つまり、「この小説は、すでに●●●人が購入しています!」や「これだけ多くの読者から高評価を頂いています!」とアピールできれば、バンドワゴン効果や集団帰属意識といった人間心理が働き、小説を買ってもらえる可能性が高まります。





『安かろう悪かろう』という言葉があるように、「価格を安くすると、質の悪い小説と思われるのでは?」という懸念を抱くかもしれませんが、あまり関係ないかと。
というのも、『効率よく副業で稼ぐ方法』などとは違って、小説そのものに『情報としての有用性・秘匿性・希少性・限定性』は求められないからです。
要するに、わざわざ高値にして「これは価値のある商品です!」とアピールする必要性に乏しいわけです。



創作の手間や経費という意味でも、業者を介さない個人の販売で、かつ淡々と文章を連ねているだけで作れる小説に、わざわざ高いお金を支払う必要も無いですからね。
制作に多くの手間と時間が必要な漫画なら、まだ納得できるのですが……。



まずは安売りでも販売実績を積み上げた方が、その実績が信用の土台に使えるので、値上げしても売れやすくなります。
賢く立ち回るなら、はじめは安売り一択です。
ココナラにしても、無料または格安でサービスを販売して取引実績と評価数を増やすことが、順調に稼ぐための鉄則でしたからね。
販売テクニック 3 :オリジナリティを出して差別化する
小説を有料で販売するなら、他の小説と比べた時に、読者に「この小説は、他の作者の小説とは明らかに違う面白さがある!」と思わせる必要があります。
つまり、小説のコンセプトを練りに練って、徹底的な差別化を図ることが重要です。



言うまでもなく、無料で公開されている小説投稿サイトの作品群とは、必ず差別化すべきです。
同じような作風と設定の小説が有料と無料で読めるなら、絶対に無料……すなわち小説投稿サイトの方が読まれるので。
小説投稿サイトの作品群と差別化されていないなら、わざわざ有料で読む価値はありません。



もちろん、 Kindle ・ BookBase ・パブーなど、小説を販売するプラットフォームの中でも、他の作者の小説と差別化する必要がありますよ。
似たような商品が比べられた時は、価格が安かったり、購入者からの評価が高かったりする方が選ばれるので。



小説にオリジナリティを出す方法については、こちらの記事を参考にしてください。
オリジナリティの無い小説に商品価値は無いので、差別化を徹底しましょう。


小説投稿サイトで集客しよう
商品を販売するためには、まずは集客できないと話になりません。
小説を販売するプラットフォームに集客を委ねることは、個人的には愚策の甘えに思えます。本気で小説を売って稼ぐつもりがあるなら、自分で集客すべきです。
たとえプラットフォームそのものに集客力があったとしても、あなたの小説が売れる理由にはなりません。信用以外にも、超えるべき壁は多いからです。
- 小説の存在を見つけてもらう
- 小説の本編に興味を持ってもらう
- 有料で買うに値すると信じてもらう
- 作風・設定が似通った他の小説と比べた時に、自分の小説の方を選んでもらう
上記のような壁があるので、堅実に稼ぐのであれば、まずは小説投稿サイトで地道に活動を続けて、自分のファンを作った方がいいです。
自分のファンであれば、たとえ有料で販売する小説であっても、ほぼ間違いなく興味を持ってもらえます。また、すでに小説家としての信用を得ているので、購入される可能性も高いです。



本末転倒に感じるかもしれませんが、結局のところ、小説投稿サイトで小説を投稿し続けることが先決ですね。
有料で販売する小説とは別に、小説投稿サイトに作品を投稿していきましょう。
実績を作るにしても、集客するにしても、小説投稿サイト内で知名度を高めることは不可避です。



面倒に感じるかもかもしれませんが、個人で稼ぐって、そういう面倒くさい作業を積み重ねた果てに到れる領域なので。
こういった地道な下積みが嫌なら、自分で小説を販売して稼ぐ道は、最初から選ばない方がいいですよ。
そもそも、あなたは小説を有料で販売する必要があるの?
この記事を実際に書いてみて、あらためて感じましたが……。
Kindle ・ BookBase ・パブーなどのプラットフォームを利用して、あなたが小説を有料で販売する必要性って、本当にありますか?
実際に小説を販売して稼ぐにしても、いったん小説家としての実績を作ってからの方が、はるかに有利に立ち回れます。読者から信用されやすくなるからです。
販売部数を伸ばすためには、自力の集客が必要になります。集客するなら、小説投稿サイトで地道な活動を継続して、作家としての認知度を高めつつ、ファンを増やしていった方が効率的です。
つまり、小説家として本気で稼ぐつもりがあるなら、あなたが進むべきは『小説投稿サイトで人気作品を作り上げて、出版社から書籍化の打診を受けて、実績と知名度を得る』という道ではないでしょうか。
小説を販売できるプラットフォームの使い道は、『出版社から打ち切りを宣言された書籍化作品の続編を販売する』という感じです。
合理的に考えれば、それが最適解だと思いますね。



「小説投稿サイトや新人賞で自分の小説が評価されなかったから、自分で販売するんだ」という事情もあるでしょうが……。
一切の私情を切り捨てて、想定する読者の需要だけを重視して、小説を書き上げましたか?
他人から評価してもらうためには、その人の利益を真剣に考えて、価値の提供だけを徹底化する……それが基本の姿勢です。



自分の書きたい小説を書いて、あわよくば人気作家になりたい……。
そのような考えは、ただの甘えです。
その道でお金を稼ぐつもりがあるなら、自分の感情を抑えて、読者が求める物語を提供し続ける覚悟が必要になります。



いずれにせよ、まずは小説投稿サイトを使い倒して、小説家としての実績と知名度を得ることを優先しましょう。
そもそも、無料で公開している小説で人気を博せないような状態なら、いきなり自分の信用だけで販売に取り組もうなんて、おこがましいとすら言えます。
段階を飛ばしすぎです。



時代の流れとして、情報媒体の娯楽コンテンツは、無料または格安の提供が一般的になってきています。
時代の波に乗るにしても、投げ銭や収益還元のある小説投稿サイトを利用して稼ぐことを狙った方がいいです。





挑戦したいなら止めませんが、個人の信用だけで自作サービスを販売することは、とても難しいです。
あまつさえ、実生活の問題を解決できるわけでもない小説なら、販売は困難を極めるはずです。
まだ小説家としての際立った実績が無いのなら、なおのこと。
ほぼ売れないを覚悟しておいた方がいいですよ。