どうも、ノマドクリエイターのショウヘイ( @shohei_creator )です。
ブログアシスタントのふーちゃんです。
この記事では、自費出版についての色々な疑問に応えられる情報をまとめています。
自費出版とは
自費出版とは、著者自らが費用を支払って書籍を出版する方法です。
書籍を出版すると言っても、著者によって、出版の目的は異なります。商品として流通させて販売利益を狙う著者もいれば、家族や親しい知人に贈りたいだけの著者もいます。
自費出版される書籍の内容とは
自費出版として、幅広い種類の書籍が出版されています。
その中でも、主要な種類を紹介しますね。
絵本
児童向けの絵本は、自費出版の対象として人気です。
小説
文章媒体の書籍と言えば、小説は代表例の 1 つです。
自費出版からベストセラーになった小説としては、【リアル鬼ごっこ】が代表例ですね。
「たとえ出版社から評価されなくても、この小説だけは世に送り出したい!」という情熱があるのであれば、小説の自費出版に取り組んでもいいでしょう。
実用書・ビジネス書
実生活で役立つ情報をまとめた本です。
何かしらの分野で専門家として活躍している人が、自分の専門知識を一冊の本としてまとめあげ、世の中に向けて発表することが多いです。
次世代型医療の量子医学について書かれた【分子と心の働きを知れば本島の健康法がわかる】は、著名人のブログで取り上げられたことをキッカケにして、 1 万以上の発行部数を達成しています。
学習参考書・研究論文
何かしらの学問を研究している学者の中には、『特定の分野についての一連の知識』や『過去の研究成果』を書籍にまとめる人もいます。
自費出版した本は、市販に回したり保存したりする他、自分の大学講義の参考書籍として使ったりもします。
詩集・歌集・句集
あなたが詩・短歌・俳句などを書く趣味をお持ちであれば、満足のいく作品が積み上がっていることでしょう。
自費出版であれば、あなたが書き溜めてきた作品を一冊の書籍として、立派な体裁にまとめられます。
自分史(回顧録・伝記)
自分史とは、自分の人生経験の内容を時系列にまとめて書きまとめた自叙伝です。回顧録や伝記とも呼ばれています。
自分史は、第二次世界大戦後、自分の体験談を書き残すために、一般市民の間で広まった運動に由来しています。
自分史を書きまとめようとする人は、定年を迎えて時間に余裕の生まれた高齢者に多いです。長年の人生を振り返り、自分の人生を形に残したい時に、自費出版としての自分史が最適です。
歴史書(社史・団体史・郷土史・学校史・周年記念史)
自費出版としての歴史書は、社史・団体史・郷土史・学校史・周年記念史が代表例です。
設立から 10 周年や 20 周年のように、節目を記念して、会社や団体の歴史書が作られています。
画集・写真集
イラストレーターや写真家であれば、これまでの活動で数多くの作品を創られたことでしょう。
同人誌
同人誌とは、特定の志の元に集まった人々が合同で制作した書籍のことです。小説集や詩集など、同人誌の内容は様々です。
仲間とともに活動したことを形に残すために、自費出版として同人誌を作る人は多いです。
追悼集
追悼集とは、家族や友人のように、故人に親しい人々が『故人に対する思い出』などを書きまとめたものです。
自費出版として少ない部数を出版して、故人の家族や友人に配布します。
自費出版できない書籍の内容
自費出版したい書籍の内容によっては、出版社や印刷会社から、制作と流通を断られる場合があります。
自費出版に合わない書籍の内容について、ひと通り紹介します。
他者の権利を侵害する
著作権や肖像権など、他者の権利を侵害するような内容の場合は自費出版できません。
既存の小説・漫画を元にした二次創作物は、著作権侵害に該当するため、出版できません。
アダルト・風俗営業に関する
性的な表現が含まれる成人向けの内容であったり、性風俗の消化に関する内容であったりした場合は、自費出版できません。
出版に協力した出版社や印刷会社の名誉を落とすことに関わるため、受け付けてもらえません。
法律違反や公序良俗に反する
法律の違反を助長したり、公序良俗に反したりするような内容の場合は、自費出版できません。
出版に協力した出版社や印刷会社の名誉を落とすことに関わるため、受け付けてもらえません。
薬事法で定められている表現の範囲を超える
健康食品や医薬品など、人の生命に深く関わる情報については、薬事法によって表現できる内容に制限が設けられています。
用法や用量、効果や効能などについての記載がある場合には、自費出版できません。
外国語で記載されている
出版社や印刷会社によっては、日本語で記載されていない書籍の場合は、制作・流通を断られる場合があります。
どんな人が自費出版するのか|年代層や性別について
自費出版社のパレードブックスの調査によると、自費出版する人々は、 50 代・ 60 代・ 70 代が 6 割を占めています。男女の比率は、ほぼ半々だそうです。
傾向としては、金銭面に余裕があり、長年の人生経験で得てきたことを書籍として書き記したい人が多いと言えますね。
自費出版のメリット
自費出版のメリットについて説明します。
メリット 1 :人生の記念が形になる
『自分の人生の歴史』や『特定の分野の体験談』を本という実物として形にできます。
メリット 2 :自分の望み通りの内容で書籍を出版できる
自費出版は、著者が出版費用を負担するため、出版社側に金銭面のリスクがありません。
出版社の編集者は、書籍が売れるかどうかは気にせずに、著者の意向を最優先してくれます。
自費出版であれば、あなたの望むとおりの内容で書籍を出版できます。
メリット 3 :簡単に作家デビューできる
自費出版は、出版費用さえ支払えば、簡単に書籍を出版・流通させられます。
新人賞やコンテストで競り合って、限られた受賞枠を狙う必要がありません。
メリット 4 :名刺代わりになる
自費出版とはいえ、自分の書籍を出版した事実は、それだけで箔が付きます。
また、特定の分野についてのハウツー本であれば、相手からは「この分野で書籍を出版できるほど、詳しく精通しているんだな」と思われます。信用されやすくなることは、間違いありません。
名刺の代わりとして自費出版の書籍を持っておくことも、マーケティング戦略の 1 つと言えるでしょう。
メリット 5 :国会図書館に納本できる
自費出版であっても、書籍としての体裁が整っていれば、国会図書館に納本できます。納本された本は、文化的資産として、末永く保存され、公に提供されていきます。
ちなみに、国会図書館に納本すること自体は、法律で定められた義務です。書籍の刊行から 30 日以内に納本手続きを完了する必要があります。
納本の義務をおこたった場合は、書籍の小売価格(あるいは、それに相当する価格)の 5 倍に相当する金額以下の過料に処せられます。
法律の義務とはいえ、自分の書籍が文化的資産として後世に残されることは、名誉あることですね。
自費出版のデメリット
自費出版のデメリットについて説明します。
デメリット 1 :多額の出版費用が必要になる
文字通り、自費出版は、書籍の書籍の出版費用を著者が負担します。
自費出版の費用は、本当にピンキリです。自分で原稿データを用意して印刷会社に依頼すれば、かなり安上がりになります。一方、大手出版社を通して、書籍を市場に流通させるとなると、何百万円という費用が必要です。
あなたの出版目的に合わせて、自費出版の費用を最小限に抑えることを心がけましょう。
デメリット 2 :自費出版しても売れるわけではない(むしろ売れない)
自費出版した書籍は、基本的に売れません。どこの誰が書いたか分からないような書籍を購入する人は、めったに現れないからです。
よほど訴求力のある題材を取り扱っていないかぎりは、売れないと考えた方が無難です。
自費出版に取り組むのであれば、自分の知識や経験を形として残したり、身近な人物に配本したりすることを目的にした方がいいでしょう。
デメリット 3 :流通させても書店に並べてもらえるわけではない
たとえ実店鋪の書店に流通さても、実際に本棚に書籍を並べてもらえるかどうかは、書店員の判断に委ねられます。売れる見込みを感じてもらえなければ、本棚から撤去されます。
自費出版であれば、よほど売れる見込みを感じなければ、書店に流通させない方が無難です。流通させるための費用も馬鹿になりません。
自費出版の費用の支払い方法
自費出版の支払い方法は、依頼する出版社や印刷会社によって異なります。とはいえ、以下の支払い方法に対応しているところが大半です。
- 現金の銀行振込
- 現金の持ち込み
- 現金の書留
- 郵便振替
- クレジットカード決済
- コンビニ決済
現金の銀行振込
現金の銀行振込の場合は、出版社や印刷会社が指定してきた銀行口座に、自費出版の費用を支払います。振込手数料は、基本的に著者の負担です。
出版社や印刷会社によっては、一括先払いで費用を支払う場合には、数千円~数万円の割引がおこなわれることもあります。
現金の持ち込み
出版社や印刷会社に、自費出版に必要となる費用を直接 持ち込みます。
出版社や印刷会社によっては、一括先払いで費用を支払う場合には、数千円~数万円の割引がおこなわれることもあります。
現金の書留
現金書留を利用して、出版社や印刷会社に、自費出版に必要となる費用を郵送します。
出版社や印刷会社によっては、一括先払いで費用を支払う場合には、数千円~数万円の割引がおこなわれることもあります。
郵便振替
郵便局の窓口または払込書対応の ATM にて、払込取扱票(振替払込書)を送ります。
出版社や印刷会社によっては、一括先払いで費用を支払う場合には、数千円~数万円の割引がおこなわれることもあります。
クレジットカード決済
出版社や印刷会社が指定しているクレジットカード会社( VISA や JCB など)を利用して、自費出版に必要となる費用のクレジットカード決済をおこないます。
分割払いが必要な場合には、決済時に分割回数を指定してください。または、クレジットカード会社のマイページにて、分割払いに設定しましょう。
コンビニ決済
セブンイレブンやローソンなどのコンビニにて、自費出版に必要となる費用を支払います。
コンビニ決済の場合には、 1 度に支払える額に制限(例:上限 30 万円)が設けられていることもあります。多額の支払いの場合には、何度か分割しましょう。
自費出版は稼げるのか
どの出版会社のサイトにも書かれていますが、自費出版の販売で稼ぐことは困難です。
出版社の腕利き編集者が企画して制作するビジネス書籍ですら、 1 万部の販売を達成できる者は、全体のわずか数%と言われています。
たとえ書店販売の形をとったとしても、無名の個人が好き勝手に書いた書籍を購入する人は、めったに現れません。そのため、販売目的であったとしても、多くの自費出版者は、出版費用すら回収できません。
純粋な販売利益(印税など)を期待して書籍化を考えるのであれば、出版社が開催する新人賞を経由する方法が賢明と言えます。
自分で商品を作って稼ぐことには、高度な知識と戦略が求められます。
自費出版のように、市場の需要を軽視して『自分の書きたい書籍を出版する』というやり方では、まず間違いなく売れません。
残念ながら、自費出版は『稼げないこと』が普通です。
もしも、出版社や印刷会社の社員さんが「あなたの作品ならベストセラー間違いなしです。自費出版に挑戦してみませんか?」というようなことを言ってきたら、要注意です。
たとえ書店に書籍を流通させる場合であっても、全く期待できません。
そもそも、無名の人物が書いた本を手にとって買ってくれる人は、めったに現れません。また、書店には毎日のように新刊が届くため、書籍の入れ替わりが激しいです。
「書店に並べてもらえれば売れるかも」なんて思っちゃ駄目ですよ。
ちなみに、書店の本棚に書籍を並べるかどうかは、書店員の判断に委ねられます。
必ずしも、あなたの書籍を書店で並べてもらえるとは限りません。
自費出版の印税について
書籍の出版によって得られる印税は、主に次の 2 種類です。
- 刷り部数契約
- 書籍を刷った部数(発刊部数)によって、印税額が計算されて、著者へ支払われる。書籍が売れても売れなくても、刷り部数だけ印税が保証される。
- 実売部数契約
- 書籍が実際に売れた部数によって、印税額が計算されて、著者へ支払われる。売り上げ部数の集計期間は、 3 ヶ月・ 6 ヶ月・ 1 年などであり、出版社によって異なる。
自費出版の場合は、基本的に印税をもらえません。その代わりに、書籍が売れた場合には、書籍の売り上げから経費を差し引いた残りの利益を全て受け取れます。
通常、著者に印税が支払われる出版方法は、共同出版と商業出版のみです。つまり、出版社が一部あるいは全ての費用を負担する場合です。
書籍の売り上げ金の多くを出版社が受け取る代わりに、著者には著作権使用料(印税)が支払われます。
自費出版における印税率は、利用する出版社ごとに異なります。
また、販売や配本などの工程をどれくらい出版社に依頼するかによっても、変わってきます。
販売や配本も委託した場合は、著者の取り分は、 40 ~ 60 %と言われています。
詳しくは、出版社のサイトや取り寄せ資料で確認しましょう。
自費出版と自己出版の意味の違い
自費出版と自己出版は混同されやすいですが、一般的には、別の意味として使われています。
自費出版の意味と経路
出版費用を著者が負担して、出版社または印刷会社を通して、書籍を出版します。
自己出版の意味と経路
原稿データを電子書籍の形式に整えて、 Kindle や DLsite のような販売サイトに出品します。出版社や印刷会社を通しません。
また、自分で出版作業を進める場合は、出版費用が不要になります。
自費出版・共同出版・商業出版の違い
書籍の出版は、出版に必要となる費用を『誰が・どれくらい負担するのか』によって、自費出版・共同出版・商業出版の 3 種類に分けられます。
- 自費出版(費用を著者が負担)
- 共同出版(費用を著者と出版社で分担)
- 商業出版(費用を出版社が負担)
自費出版
自費出版は、すべての費用を著者が負担する場合の出版方法です。
著者が自費で出版するので、著者の裁量権がとても大きいです。
基本的には、著者が希望する内容で書籍を出版できます。
自費出版は、書店などで販売することのみを目的に出版されるわけではありません。
自分の書棚に飾ったり、親しい間柄の人にだけ配ったりと、出版目的は人それぞれです。
- 出版に必要となる費用は、全て著者が負担する。
- どんな内容の書籍であっても、基本的に出版できる。
- 思い出づくりや一部の人に配布するなど、必ずしも販売を目的としない。
- 書籍が売れた時の著者の取り分が大きい。
共同出版(協力出版)
共同出版は、出版に必要となる費用を著者と出版社で分担する場合の出版方法です。協力出版とも呼ばれています。
著者と出版社で出版費を折半する……という印象がありますが、実際のところは、著者が制作費を負担、出版社が流通や広告の費用を負担するという契約が多いです。
著者が制作費を負担するという意味では、市場流通をおこなわない自費出版と同じと言えます。
出版者が費用の一部を負担することから、売れる見込みのある原稿でなければ、共同出版はおこなってもらえません。
また、売れる書籍に仕上げるために、編集者が積極的に原稿の内容の改良をおこなおうとしてきます。自費出版と比べると、著者の裁量権は小さくなります。
- 著者が制作費を負担することが多い。
- 出版社に費用の一部を負担してもらいつつ、書籍を市場に流通させられる。
- 編集者が原稿内容に関わってくるので、著者の裁量権が小さくなる。
商業出版(企画出版)
商業出版は、すべての出版費用を出版社が負担する場合の出版方法です。企画出版とも呼ばれています。
商業出版の場合は、著者が金銭面の危険を背負わない分だけ、書籍が売れた時の取り分が少なくなります。
どれだけベストセラーになろうと、著者の印税率は、高くても 10 %と思ってください。
商業出版は、出版社が開催している新人賞で受賞するか、あるいは出版社から書籍の制作オファーを受けた時でなければ、基本的におこなえません。
出版者が出版費を全負担するため、売れる見込みのある原稿でなければ、商業出版に踏み切れないからです。
商業出版は、何も実績のない一般人には、無縁の出版方法と言えます。
- 出版に必要となる費用は、全て出版社が負担する。
- 売れる見込みある小説でなければ、取り扱ってもらえない。
- 著者側の裁量権が小さいので、自由に小説を書けない。
- 出版社のブランドを利用できるので、小説は売れやすくなる。
企業出版(カスタム出版・ブランディング出版)
企業出版とは、企業が自社の宣伝やブランド作りなどを目的としておこなう出版のことです。カスタム出版・ブランディング出版とも呼ばれます。
自費出版の一種ですが、個人向けではなく、あくまでも企業向けの出版サービスです。
企業が企業出版をおこなう理由は、集客・知名度の向上・啓蒙活動・信用の獲得・企業理念の共有・権威性の増大など、さまざまです。
どんな理由であれ、企業利益の増大という目的のために書籍を出版します。
- 出版費用は、依頼する企業が負担
- 集客・知名度の向上・啓蒙活動・権威性の増大などを狙える。
自費出版の流通に必要となる ISBN コードとは
ISBN コードとは、書籍に割り振られている 13 桁の識別コードです。正式名称は、国際標準図書番号( International Standard Book Number )です。
バーコード( JAN コード)と ISBN コードは別物なので、混同しないようにしましょう。
ISBN コードには、その書籍についての国籍・出版社(あるいは出版者)・書名が紐づけられています。 ISBN コードを読み取ることで、機械的に書籍を特定できるわけです。
書店や Amazon などで書籍を販売したい場合は、 ISBN コードが必要になります。
個人でも ISBN コードを取得できますが、 1 個だけ取得する場合には、 8000 円(+税)の取得料を支払わねばいけません。まとめて取得すれば、 1 個あたりの料金は安くなりますが、現実的ではありません。
もしも、書籍の流通を希望されるのであれば、出版社を経由して出版することで、出版社から ISBN コードを割り当ててもらった方がいいでしょう。
自費出版の書籍を流通してもらうには
あなたが自費出版した書籍を書店に並べてもらうには、書籍に関する取次会社(日本出版販売やトーハンなど)を通す必要があります。
取次会社に書籍を通すためには、 ISBN コード(書籍の裏面に記載されているバーコード)が必要です。
ISBN コードがあると、書店で取り扱ってもらえるだけでなく、 Amazon や楽天などのネット通販でも取り扱ってもらえるようにもなります。
ただし、取次会社を通して書店で書籍を販売すると、著者の取り分は減ってしまいます。書籍の販売額から 4 割ほどの手数料を取られることが一般的です。
たとえば、 1000 円の書籍を販売した場合は、取次会社が 2 割、書店が 2 割を持っていきます。著者と出版社の間で、残金の 600 円を分け合います。