どうも、ノマドクリエイターのショウヘイ( @shohei_creator )です。
ブログアシスタントのふーちゃんです。
小説・ラノベに書きなれていないと、どこで改行すればいいのか、どれくらい改行すればいいのか………ちょっと迷いますよね。
また、キャラクターのセリフが長く続く時に、「あれ、途中で改行した方がいいのかな?」と疑問に思うこともあるでしょう。
今回の記事では、小説・ラノベの文章を書く時の改行について、改行する意味や適切なタイミングなどを説明していきます。
ちなみに、小説の文章作法を基本から知りたい場合は、小説の文章作法をゼロから攻略という記事を読んでください。
基本から応用まで3段階に分けて、 50 以上の文章作法を例文つきで解説しています。
小説を書く時に使う改行とは
小説を書く時に使う改行とは、文字通り『行を改めること』です。
文章を改める意味で改行する時は、「段落を付ける」とも言います。
小説などの文芸作品であれば、読点を区切りにして改行した後は、行頭を1字下げしてから書き始めます。
ブログ記事のような文章であれば、改行した後であっても、行頭を1字下げせずに書き始めます。
小説で改行する目的とは
そもそも、小説の文章を改行する目的とは何か。
私の持論としては、読者に文章を読みやすくして、快適に読書を進めてもらうためと考えています。
キーワードは、視認性と読解性です。
たとえば、適度に改行を入れつつ文章を書くことで、1つ1つの文あるいは文章の区切りが明確になります。
文章がギュウギュウに詰めこまれているよりも、適度な改行を入れて余白を設けた方が、読者は小説を読み進めやすくなります。
つまり、視認性が良くなります。
また、文あるいは文章の趣旨が変わったところで改行することで、読者は「改行されている……ということは、伝えたい趣旨が変わったのか」と気づけます。
適度に改行を入れることで、『特定の意味を持った文章』の区切りが分かりやすくなります。それにより、より文章の意味を理解しやすくなります。
つまり、読解性が良くなります。
適切なところで改行されていると、文章をスイスイと読んでいけますよね。
しかも、文章の内容を理解しやすくもなります。
小説を快適に楽しんでもらうためには、改行にも意識を払うことが大切だね。
小説で改行するタイミングの具体例
小説で改行した方がいいタイミングは、次の通りです。
- 文章の趣旨が変わる時
- 場面が切り替わる時
- 地の文と会話文の区切り
- 特定の文を強調したい時
改行タイミング1:文章の趣旨が変わる時
厳密な決まりはありませんが、あなたが「ここ、趣旨が変わるかもな」と思う箇所があったら、そこで改行しましょう。
相つぐ台風の来襲によって、日本全国で多くの被害が起きている。テレビニュースでは、土砂崩れ、洪水、家屋の倒壊の様子が連日のように報道されている。 ← 台風被害に触れている文章
またどこかの被害状況を報道しているニュース番組を尻目に、僕はスマホゲームの『 FGO 』に熱中していた。台風により交通機関が麻痺したので、会社に行く必要が無くなり、これを幸いとスマホゲームを楽しんでいるのだ。 ← スマホゲームで楽しんでいる文章
改行タイミング2:場面転換する時
物語の場面(特に場所)が移る時は、改行することによって、場所や時間の移動を表現します。
時刻は、夕方の6時頃。僕は自転車に乗って、水が溜まっている住宅街の道を縫うように走った。夕飯を作るのが面倒だったので、近所のラーメン屋『紅林』で夕飯をすませようと思ったからだ。 ← 場所は、住宅街の道
紅林の駐車場に着くと、僕は自転車を降りて、適当な場所に自転車を停める。夕飯時ということもあり、紅林の駐車場には、そこそこの数の車が駐車していた。 ← 場所は、ラーメン屋の駐車場
改行タイミング3:地の文と会話文の切り替わり時
地の文から会話文に変わる時、または会話文から地の文に変わる時に、改行します。
僕が店の扉を押し開けると、いつものようにチャリンチャリンとドアベルが鳴った。
「いらっしゃいませー・……って、なんだ鈴木さんじゃないか。今日も味噌ラーメンかい?」
僕の来店に気付いた馴染みの店主が声をかけてきた。
「そ、いつも通りのやつね。あー、それと餃子1人前もお願いね」
「あいよ! 味噌ラーメン一丁! 餃子1枚!」
新規注文に厨房が活気づく。
僕は店の本棚から今週号の週刊誌を抜き取ると、空いている個人席に座った。
改行タイミング4:特定の文を強調したい時
筆者の主張、独特の情緒、体言止めによる印象付けなど、何か強調したい一文がある時に、あえて改行します。
週刊誌をパラパラとめくり、最近お気に入りの学園ヒーロー漫画を探す。
この学園ヒーロー漫画は、先週号は、味方だと思っていた仲間が急に主人公を裏切って、敵と共闘し始めた場面で終わった。かなり意外な展開だったので、今週号の展開が気になって仕方なかったのだ。
――――はらり。 ← 何か薄い物が落ちたことを強調
週刊誌の隙間から、小さな紙のようなものが滑り落ちた。
「ん?」
足元に落ちている紙を拾い上げる。紙はメモ用紙のようで、何か書かれていた。
『あなたは運命の女神に選ばれました。これを祝して、世界の真実の姿を特別にお伝えします。そして、世界を改変する方法もお伝えします』
メモ用紙には、そのようなことが書かれていた。さらに、どこかのサイトと思わしき URL とログインパスワードも書いてあった。
僕はメモ用紙を眺めると、それを週刊誌の隙間に戻した。
くだらない。きっと、紅林に来た子供が仕掛けたイタズラか何かだろう。
僕はそう思い、再び学園ヒーロー漫画の掲載されたページを探し始めた――けれど、ふとページをめくる手が止まる。
世界の真実の姿、世界を改変する方法。 ← キーワードの強調
子供のイタズラとは分かり切っているが、妙に気になる言葉でもある。本物かどうか分からないが、どこかのサイトの URL も書いてあるし、わざわざパスワードも書いてあった。
僕はページをめくり直し、先ほどのメモ用紙をつまみ上げる。ズボンのポケットからスマホを取り出し、メモ用紙の文面を撮影した。家に帰ったら、スマホで URL 検索してみるつもりだ。
小説のセリフの途中で改行を使うべきか
小説・ラノベにおいて、長いセリフの途中で改行を入れる作家もいます。
長いセリフの途中で改行を入れる理由は、「文字がギッシリと詰まっているよりも、いくらか読みやすくなるだろう」という作者の配慮です。
小説のセリフの途中で入れる改行とは、以下のような感じです。
「だから、大衆小説とライトノベルには、明確な区切りはないんだって。主人公が学生で超能力が登場する作品でも、読者が『これは大衆小説』と思えば大衆小説だし、『これはライトノベル』って思えばライトノベルになるの。
ライト文芸とライトノベルの違いも、要領は一緒。読者が『これはライトノベルが好きな読者層よりも大人向けだな』って思えばライト文芸と呼ばれるし、『主人公が高校生でコメディ要素が強かったら、純愛青春ものでもライトノベル』って思えばライトノベルになるってわけ」
小説のセリフの途中って、改行していいのでしょうか。
あまり見かけませんよね。
厳密な是非はともかくとして、見栄えは悪いかな。
改行が必要なほどセリフ続きっていう状態は、どうかと思うね。
それもそうですね。
セリフが長すぎると、テンポが悪いですし、読むのに疲れます。
セリフの途中で改行するくらいだったら、いったん地の文をはさんで、仕切り直した方がいいかな。
セリフ量が分割されるから、1人のキャラクターが喋りすぎている感じも減るよ。
「だから、大衆小説とライトノベルには、明確な区切りはないんだって。主人公が学生で超能力が登場する作品でも、読者が『これは大衆小説』と思えば大衆小説だし、『これはライトノベル』って思えばライトノベルになるの。
柿本は学生鞄の中に手を入れると、1冊の本を取り出して、こちらに見せてきた。
表紙がアニメ調なので、ライトノベルかと思った。しかし、よく見たら、絵柄は水彩で淡い印象だ。ライトノベルにしては、どうも雰囲気が大人びているように感じる。
「ライト文芸とライトノベルの違いも、要領は一緒。読者が『これはライトノベルが好きな読者層よりも大人向けだな』って思えばライト文芸と呼ばれるし、『主人公が高校生でコメディ要素が強かったら、純愛青春ものでもライトノベル』って思えばライトノベルになるってわけ」
Web 小説の改行と空行について
Web 小説は、紙媒体の小説とは違って、紙幅の限界がありません。
その特徴を活かして、改行量を増やして、一文や段落の区切りを分かりやすくすることをオススメします。
Web 小説は、気軽に読めることが売りの1つです。
改行が多くて読みやすい体裁にすることで、 Web 小説の読者に受け入れられやすくなりますよ。
Web 小説の場合は、改行する回数は、2回をオススメします。
つまり、空行を1つ入れます。
段落と段落の間に空白の行があると、段落の変わり目を見分けやすくなるからです。
改行を多く使って、小説の読みやすさ(視認性)を上げたいなら、次のルールに従うことをオススメしますよ。
- 一段落ごとに、改行を2つ(空行1つ)入れる
- 章の切り替わりなど、大きく場面転換する時は、改行を6つ(空行5つ)以上は入れる。
小説の改行ルールとタイミングのまとめ
- 小説で改行を使う目的は、視認性と読解性を上げて、読者が小説を読み勧めやすくすること。
- 小説で改行するタイミング
- 文章の趣旨が変わる時
- 場面が切り替わる時
- 地の文と会話文の区切り時
- 特定の文を強調したい時
- キャラクターのセリフが長く続く時は、途中で地の文をはさんで、セリフを分割すること。
- Web 小説の場合は、気軽に読めることが大切なので、積極的に改行を使うこと。
- 段落が変わる時は、改行を2つ入れる(空行を1つ作る)。
- 章の切り替わりなど、大きく場面転換する時は、改行を6つ以上は入れておく。