小説タイトルの付け方・決め方|読者が殺到する3要素と7属性とは

本

 

ショウヘイ

どうも、ノマドクリエイターのショウヘイ( @shohei_creator )です。

ふーちゃん

ブログアシスタントのふーちゃんです。

 

小説を投稿する時に、どんなタイトル(題名)にしようか、あなたも悩んだことはありますよね?

小説タイトルは、いわば小説の玄関です。タイトルの見栄えが悪かったり、読者の興味を引けなければ、本編を読まれないまま放置されてしまいます。

良いタイトルを付けられることは、その小説が読まれるか否かを決定すると言っても、過言ではありません。

 

そこで、今回の記事では、新規読者を獲得できる『魅力ある小説タイトルのつけ方・決め方』について説明してます。

 

ショウヘイ

なお、今回の記事は、小説投稿サイト(小説家になろう、カクヨムなど)や大衆小説・ライトノベル新人賞向けの小説を対象にしています。

ふーちゃん

純文学のように、情緒あふれる詩的な小説タイトルは、対象外です。

ご了承ください。

 

目次

小説タイトルの重要性

 

まずは、小説タイトルの重要性について説明します。

 

小説タイトルは、『中身の見えない本編』の入り口です。

たとえるなら、室内が見えない店の前に置かれた看板のようなものです。

 

 

通行人は、店の前の看板を見て、『どんな店で、何を提供しているのか』を推測しています。

通行人の需要(ちょっと休憩したい)とお店の供給(休憩所と間食を提供する)が合致していれば、通行人は入店します。

 

ふーちゃん

看板が無かったり、変な名前の看板だったりすると、どんなサービスを提供するお店なのか、まったく分かりませんよね。

ショウヘイ

通行人の興味を引く気が無いよね。

小説のタイトルについても、これと同じことをやっている人は、数え切れないほどいるよ。

 

 

小説タイトルは、読者に『ジャンルは何か・どんな舞台と世界観なのか・得られるカタルシスは何か』を伝えます。

読者の需要(異世界転生・召喚の物語を読みたい)と小説の本編が合致していれば、読者は小説を読もうとします。

言い換えれば、小説タイトルの段階で、読者の興味を引けなければ、本編が読まれないまま放置されてしまいます。

 

ショウヘイ

たとえば、下のグラフは、三木なずなさんの【レベル1だけどユニークスキルで最強です】の総合評価ポイントの推移です。

この作品は、投稿始めの頃は、なかなか総合評価ポイントが伸びませんでした。しかし、小説タイトルを変えたところ、一気にポイント増加速度が上がりました。

三木なずな 総合ポイントの推移

 引用元:新木伸 , 三木なずな , 作家K , 至道流星  WEB 作家でプロになる! ②パッケで9割の法則 ( トークメーカー新書 ) (Kindle の位置 No.345-346)

ふーちゃん

途中から、グラフが急激に上がっています!

きっと、たくさんブックマークしてもらったんでしょうね。

ショウヘイ

ちなみに、あらすじは変えていなかったそうです。

読者の興味を引ける小説タイトルにするだけでも、劇的にポイントが増加します。

ふーちゃん

小説タイトルが、どれくらい『小説の本編が読まれるか』に強い影響力を持っているのか、とてもよく分かるデータですね。

ショウヘイ

思いつきでいいかげんな小説タイトルを決めることは、「私の小説は読まなくていいですよ」と公言しているようなものです。

世界観やキャラクター設定を作りこむよりも、小説タイトルを吟味する方が、何十倍も重要ですよ。

 

 

 

小説タイトルを構成する3要素

 

ショウヘイ

これから、読者の興味を引ける小説タイトルの3要素を紹介します。

のちほど紹介するタイトルテンプレートに、3要素を上手く配置して、あなた独自の小説タイトルを作ってください。

ふーちゃん

小説タイトルを制する者が、ブクマ数を制するのです!

 

 

小説タイトルの要素1:読者が猛烈に反応する7つの属性

 

ショウヘイ

ここで紹介する7つの属性は、時代と地域を問わず、人間が心惹かれてしまうものです。心理学の面から見ても、その効果は実証されています。

ふーちゃん

ビジネスの世界でも、商品を売るためのセールスレターに、7つの属性が利用されていますよ!

専門用語では、コピーライティングと呼ばれる文章技術の1つです。

ショウヘイ

小説タイトルにも、7つの属性を活かしましょう。

具体例として掲載している小説タイトルは、主にライトノベルから抜粋しました。

ふーちゃん

ライトノベルは、よくも悪くも、奇抜なタイトルが見つけやすいです。

 

 

属性1:新奇性

 

新奇性とは、『目新しくて変わったもの』です。

 

人間は、常に新しい情報に触れたがる習性があります。

目新しくて、風変わりな情報は、好奇の的になります。

 

創作業界では、今までにない斬新さが求められますよね。

これは、人間が新奇の情報を好むことに由来しています。

患者の頭の上でカキ氷を作る看護師

 

 

新奇性に富んだ小説・ラノベのタイトルは、以下の通りです。

小説・ラノベのタイトル(新奇性)

  • 転生したらスライムだった件
    • ゲームで最弱の敵キャラであるスライムに転生している
  • 幼女戦記
    • 幼女なのに戦場で活躍するという奇妙さ
  • はたらく魔王様!
    • 魔王なのに、アルバイターとして働くという落差
  • 通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか ?
    • まるでラスボスのような行動性能なのに、お母さんというミスマッチ
  • 今日から俺はロリのヒモ!
    • 幼い少女に養われるという異常さ
  • 魔法?そんなことより筋肉だ!
    • 魔法を筋肉で打ち破るという非常識さ
  • 女騎士、経理になる。
    • 騎士なのに経理を任されるという意外な展開

 

ふーちゃん

意外性のある小説タイトルを作るコツって、なんですかね。

ショウヘイ

異質な属性を掛け合わせることだね。

真反対の属性同士であるほど、それが上手く組み合わさった時に、強烈な意外性が生まれるよ。

ふーちゃん

なるほど!

幼女戦記なんか、まさに意外性の塊ですよね。

私みたいな背丈の女の子が戦場で隊長になるなんて、すごく非現実ですもん。

ショウヘイ

自分が最近になって見かけた小説だと、「脱法勇者」が好例として挙げられるね。

小説の中身は見ていないけれど、反社会的な要素も含まれているから、小説タイトルとしては打ってつけ。

自分が審査員だったら、文句なしの合格点をつけるね。タイトルが簡潔で記憶しやすいから、なおのこと高評価。

ふーちゃん

勇者なのに脱法……すさまじい意外性ですね。

書店に並んでいるところを見かけたら、思わず手に取っちゃうと思います。

 

 

属性2:反社会性

 

人間は、暴力・犯罪・事件・不倫などのように、平和や道徳を乱す反社会的な出来事を好んで求めます(もちろん、対岸の火事として)。

 

新聞・週刊誌・ニュースサイトでは、連日のように『どこで殺人事件が起きた』や『芸能人の●●の問題発言』のような反社会的な情報が飛び交っています。

こうなる理由は、私たち大衆が刺激に富んだ反社会的な情報を欲しがっているせいです。

人質になった女性

 

 

反社会的な小説・ラノベのタイトルは、以下の通りです。

反社会的な部分は、赤文字で強調しています。

小説・ラノベのタイトル(反社会性)

  • 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術
  • 俺の幼馴染と彼女が修羅場すぎる
  • お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ
    • 兄妹の恋愛という背徳感を匂わせている
  • 人類は衰退しました
  • 撲殺天使ドクロちゃん
  • 異世界拷問
  • はぐれ勇者の鬼畜美学
  • 魔王の俺が奴隷エルフを嫁にしたんだが、どう愛でればいい ?
  • バイト先は「悪の組織」 !?
  • 父さんな、デスゲーム運営で食っているんだ
  • 悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました

 

ふーちゃん

あらためて見てみると、テレビ番組や週刊誌のネタって、反社会的な情報ばかりですよね。

ショウヘイ

2ちゃんねる系のまとめサイトも、反社会的なスレッドがよく取り上げられているね。めっちゃ PV 数を稼げるから。

ふーちゃん

だからこそ、小説タイトルに反社会的なキーワードを含めれば、 PV 数が増えるんですね。

 

 

属性3:性的

 

人間の3大欲求の1つは、性欲です。

洋の東西をを問わず、人間の活動に恋愛が強く絡む理由は、それだけ性欲から生まれる活力が大きいからです。

 

ただし、恋愛感情と性欲は、表向きは別の物として扱われています。

恋愛系の物語に性的描写は欠かせませんが、恋愛感情と性欲を直結させているわけではありません。恋愛感情は、性欲の別表現……もしくはオブラートに包んだ表現という位置づけです。

芥川龍之介の言葉を借りれば、「恋愛は、ただ性欲の詩的表現を受けたものである。少なくとも、詩的表現を受けない性欲は、恋愛と呼ぶに値しない」というわけですね。

 

読者を引き寄せる属性としては、恋愛感情は弱めです。もっと直接的な性描写を匂わせることで、読者(特に男性)を強烈に引き寄せられます。

キス待ちの女性

 

 

性的な小説・ラノベのタイトルは、以下の通りです。

性的な部分は、赤文字で強調しています。

小説・ラノベのタイトル(性的)

  • エロ漫画先生
  • 下ネタという概念が存在しない退屈な世界
  • さくら荘のペットな彼女
  • だから僕は、ができない。
  • 特殊性癖教室へようこそ
  • 非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが……
  • VR エロゲーやってたら異世界に転生したので、美少女魔王を奴隷化する 〜クロスアウト・セイバー〜
  • 異世界に転生したら全裸にされた

 

ふーちゃん

不潔です。

ショウヘイ

野郎なんざ、そんなもんだよ。

ふーちゃん

ショウヘイさんが記事を書いたせいで、性的なキーワードを使った小説タイトル、わんさと増えるんですよ。

女性の敵です。セクハラの元凶です。

もちろん、責任を取るんですよね?

ショウヘイ

…………。

 

 

属性4:謎

 

人間には、未知の正体を知りたがる知的探求心があります。

物語のジャンルにミステリーがある理由は、殺人事件の犯人捜しのような『謎解き』が読者に好まれているからです。

【新世紀エヴァンゲリオン】が社会現象にまで発展した要因は、使徒の襲来理由や人類補完計画の詳細が明かされず、ファンの間で考察を楽しむ余地があったからです。

謎

 

 

謎に満ちた小説・ラノベのタイトルは、以下の通りです。

小説・ラノベのタイトル(謎)

  • 俺、ツインテールになります。
    • ツインテールになるという意味が分からない
  • 乃木坂春香の秘密
    • お嬢様の抱える秘密は何か? という疑問
  • 俺の脳内選択肢が、学園ラブコメを全力で邪魔している
    • 脳内選択肢とは何か? なぜ学園ラブコメを邪魔するのか? という疑問

 

ふーちゃん

謎が含まれている小説タイトル、たしかに気になりますね!

モヤモヤした気分を解消したくなります。

ショウヘイ

ツァイガルニク効果という心理学用語もあるくらいだから、中途半端や不完全さをアピールすることは、読者の興味を引くために役立つね。

 

 

属性5:快適さ

 

人間が商品を買う理由の1つは、快適さを上げるためです。

この事実は、物語という商品にも当てはまります。物語における快適さとは、癒し萌えと呼ばれているものです。

 

快適な物語の代表例は、まんがタイムきららの作品群です。

【ひだまりスケッチ】を始めとして、【けいおん!】【ゆゆ式】【きんいろモザイク】【ご注文はうさぎですか?】【NEW GAME!】【ブレンド・S】【ゆるキャン】などは、アニメ化されたことでも有名ですね。

どの作品にも共通していることは、『登場人物が少女ばかり・平和な日常譚が多い・絵柄が可愛い』という3点です。

 

早い話が、癒しと萌えを前面に押し出しているので、読者はノンストレスで快適に読書を楽しめます。

 

 

快適さに関する小説・ラノベのタイトルは、以下の通りです。

快適さの部分は、赤文字で強調しています。

小説・ラノベのタイトル(快適さ)

  • 勇者召喚に巻き込まれたけど、異世界は平和でした
  • のんびり VRMMO 記
  • 異世界のんびり農家
  • 生き残り錬金術師は街で静かに暮らしたい
  • 転生して田舎でスローライフをおくりたい
  • 聖女二人の異世界ぶらり旅
  • 魔王になったので、ダンジョン造って人外娘とほのぼのする

 

ふーちゃん

癒やし要素も、小説タイトルを魅力的にしてくれるんですね。

ショウヘイ

小説は静かな場所で黙々と楽しむものだから、癒やし要素と特に相性がいいね。

ファンタジー冒険と組み合わせて、ファンタジー好きの読者も囲いこめそうだ。

ふーちゃん

錬金術士が活躍するアトリエシリーズみたいな世界観、好きです!

ほんわかとした優しい世界観なのに、ファンタジー冒険の要素もあって楽しいです!

 

 

属性6:社会承認

 

マズローの欲求5段階説において、4段階目に社会承認欲求が位置します。

社会承認欲求とは、簡単に言えば『周囲の人々から優れた人物として見られ、社会的に価値ある存在と認められ、チヤホヤされたい』という欲求です。

 

創作業界では、読者の社会承認欲求を満たす方法として、次のような主人公設定が導入されやすいです。

社会承認欲求を満たす主人公設定

  • 並外れた能力を使って活躍する(敵役を噛ませ犬に使って、仲間や取り巻きを驚嘆させる。または、国や街の存亡に関わる難題を解決して、地域社会から尊敬を得させる。敵軍を無双する)
  • 積極的に人助けする(優れた人徳の持ち主として称賛させる)
  • 異性から好意を寄せられ、ハーレムを作る(性的に優秀であることを承認させる)

 

 

社会承認に関する小説・ラノベのタイトルは、以下の通りです。

社会承認の部分は、赤文字で強調しています。

小説・ラノベのタイトル(社会承認)

  • おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!
  • 軍オタが魔法世界に転生したら、現代兵器で軍隊ハーレムを作っちゃいました !?
  • 食べるだけでレベルアップ ! 〜駄女神といっしょに異世界無双
  • てのひら開拓村で異世界建国記 〜増えてく嫁たちとのんびり無人島ライフ〜
  • たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語
  • 最強魔法師の隠遁計画
  • 異世界支配のスキルテイカー 〜ゼロから始める奴隷ハーレム
  • ありふれた職業で世界最強
  • 盾の勇者の成り上がり
  • 俺の家が魔力スポットだった件〜住んでいるだけで世界最強
  • 努力しすぎた世界最強の武闘家は、魔法世界を余裕で生き抜く。
  • まのわ 魔物倒す・能力奪う・私強くなる
    • どんどん魔物から能力を奪って、やがて無双状態
  • 元最強の剣士は、異世界魔法に憧れる
  • 物理さんで無双してたらモテモテになりました
  • 最強勇者はお払い箱→魔王になったらずっと俺の無双ターン
  • 失格紋の最強賢者 〜世界最強の賢者が更に強くなるために転生しました〜
  • スライム倒して 300 年、知らないうちにレベル MAX になってました

 

ふーちゃん

いわゆる、俺 TUEEE 系の設定ですね。

ショウヘイ

読者に社会承認のカタルシスを与えられる、てっとり早い設定だから、かな~り多用されているね。

ここ数年でアニメ化されるライトノベル、これ系が多すぎる。

ふーちゃん

商業作品であることが前提なので、読者の需要を優先すると、そうなっちゃうんでしょうね。

 

 

属性7:自己優越

 

社会承認と似ていますが、自己優越は『自分が優れた存在であることの自覚』です。

自己優越は、自分の存在に自分で満足している、いわゆる自己満足の状態です。自我(エゴ)の増長とも言えます。

 

創作業界では、読者に自己優越感を体験させる方法として、次のような主人公設定が導入されやすいです。

自己優越感を体験させる主人公設定

  • 高貴な生まれ(王族や貴族、または神の系譜)
  • 世界的に稀な技能(いわゆるユニークスキル・チートスキル)
  • 超人的な身体能力(怪力・神速・無尽蔵の体力や魔力・情報の高速処理・チート)
  • 容姿端麗
  • 財力と権力

 

 

自己優越に関する小説・ラノベのタイトルは、以下の通りです。

自己優越の部分は、赤文字で強調しています。

小説・ラノベのタイトル(自己優越)

  • エルフ嫁と始める異世界領主生活
  • 魔術学院を首席で卒業した俺が冒険者を始めるのはそんなにおかしいだろうか
  • 高 1 ですが異世界で城主はじめました
  • どうやら私の身体は完全無敵のようですね
  • せっかくチートを貰って異世界に転移したんだから、好きなように生きてみたい
  • 暇人、魔王の姿で異世界へ 時々チートなぶらり旅
  • 即死チートが最強すぎて、異世界のやつらがまるで相手にならないんですが。
  • 最強呪族転生〜チート魔術師のスローライフ〜
  • 異世界チート魔術師
  • 進化の実〜知らないうちに勝ち組人生
  •  俺だけ入れる隠しダンジョン〜こっそり鍛えて世界最強〜
  • レベル 1 だけどユニークスキルで最強です
  • 剣士を目指して入学したのに魔法適性 9999 なんですけど !?
  • LV999 の村人
  • 捨てられ勇者は帰宅中〜隠しスキルで異世界を駆け抜ける〜

 

ふーちゃん

生まれながらに特別ということですね。

ショウヘイ

『他人とは明らかに違う』という状態は、それだけで自我を補強してくれるからね。精神的な安定を得られる。

ふーちゃん

読者さんは、自分が特別な存在であると実感したいってことですね。

 

 

 

小説タイトルの要素2:読者メリット(カタルシス)

 

読者が小説を読む理由は、小説の物語を通して、自分の願望を擬似的に叶える(カタルシスを得る)ためです。

 

たとえば、あなたの小説が『日本の高校生が西洋ファンタジー世界に転生して、転生時に神から与えられた特殊能力(転生ボーナス)で最強になり、魔物討伐で大活躍する』という内容だとします。

この場合、読者が得られるカタルシスは、次のようなものです。

カタルシスの内容

  • 西洋風の異世界を冒険できる
  • 努力せずに価値ある能力が手に入る
  • 圧倒的な力で魔物(敵役)を一掃できる
  • 大活躍することで、人々から称賛される

 

 

読者が小説を読むメリットをタイトルに書いておくことで、小説を読もうとする動機を与えられます。

読書メリットが読者の需要(好み)と一致すれば、すぐに飛びついてきて、本編を読み始めてくれます。

寝転んで本を読む女性

 

ふーちゃん

ショウヘイさんだったら、どんな読書メリットが書かれていたら、その小説を読みたくなりますか?

ショウヘイ

自分の場合だったら、西洋ファンタジー世界のスローライフ系が読みたいかな。

【狼と香辛料】なんて、かなり好みだね。ゆったりとした旅模様が基本だし、商業的な知略バトルもあるから、読み応えもあるし。

同作者の【マグダラで眠れ】も、個人的に好きだね。

ふーちゃん

スローライフを軸にした知略バトルの要素があって、ケモミミ美少女と旅しながらイチャイチャできそうな小説タイトルなら、ショウヘイさんを釣れるってことですね。

ショウヘイ

そうだけれど……なんか認めたくないな。

 

 

小説タイトルの要素3:舞台や世界観を表すキーワード

 

小説タイトルに『その読者の好きな物語に関わるキーワード』が入っていれば、読者は「あ、この単語が入っているってことは、●●系の物語か?」と思って、小説の本編に興味を示してくれます。

 

人それぞれ、好みの舞台・世界観は違います。そして、それらの舞台・世界観を象徴するキーワードも変わります。

ミステリー好きの人は、現実のどこかにある閉鎖環境(無人島や旅客機など)で、奇怪な殺人事件が起きる物語が好きです。

サスペンス好きの人は、ありふれた日常の中で、急に一般人が事件・事故に巻き込まれる物語が好きです。

ラブコメ好きの人は、学校や会社のような馴染みある場所を軸にして、恋愛感情が波乱を巻き起こす物語が好きです。

ファンタジー好きの人は、現実とかけ離れた環境(異世界など)で、剣と魔法が交錯する冒険物語が好きです。

SF好きの人は、宇宙のような広大な世界を舞台にして、科学的空想の技術が登場する物語が好きです。

 

ちまたで流行っている『異世界チート』であれば、物語に深く関わるキーワードは、次のようなものが挙げられます。

『異世界チートハーレム』の特徴的キーワード

(異世界系)

異世界、転生、召喚、転移、ファンタジー、冒険、魔法、魔術、魔力、呪文、ルーン、マナ、騎士、魔女、僧侶、エルフ、ドワーフ、ゴブリン、ゴーレム、神、妖精、ダンジョン・・・・・・ etc


(チート系)

最強、無双、無敵、無敗、超能力、特殊能力、才能、怪力、神速、レアスキル、ユニークスキル、不老不死、再生、無尽蔵・・・・・・ etc

 

 

 

小説タイトルの型

 

ショウヘイ

小説タイトルの型は、4種類に大別できます。

具体例として挙げた小説タイトルは、ここ数年の間にアニメ化されたライトノベルから選びました。

ふーちゃん

ちなみに、「こんな感じに分類できるだろう」という大雑把な分類だそうです。

厳密なものではないので、参考程度に受け取ってくださいね。

 

 

小説タイトル:1要素型

 

1要素型は、短い文字数で表した小説タイトルです。

『てにをは』のような助詞を使わなかったり、中黒を使わない横文字表記は、1要素型に分類されるとします。

 

以下、1要素型の具体例です。

1要素型の小説タイトル

  • ゴブリンスレイヤー
  • オーバーロード
  • 十二大戦
  • 終物語
  • ゲーマーズ
  • 異世界食堂
  • 幼女戦記
  • はたらく魔王さま!
  • ココロコネクト

 

 

小説タイトル:2要素型

 

2要素型は、2つの要素を組み合わせたものです。

何かしら修飾された語は、修飾込みで1要素と扱います。

要素と要素の間には、助詞や中黒が入ることが多いです。

 

以下、2要素型の具体例です。

2要素型の小説タイトル

  • 百錬の覇王と聖約の戦乙女
    • (名詞「と」名詞)
  • 転生したらスライムだった件
    • (原因 ー 結果)
  • とある魔術の禁書目録
    • (名詞「の」名詞)
  • ソードアート・オンライン
    • (名詞 ・ 名刺)
  • ありふれた職業で世界最強
    • (名詞「で 」形容詞)
  • 賢者の孫
    • (名詞「の」名詞)
  • 七星のスバル
    • (名詞「の」名詞)
  • フルメタル・パニック
    • (名詞・名詞)
  • りゅうおうのおしごと!
    • (名詞「の」名詞)
  • この素晴らしい世界に祝福を!
    • (名詞「に」名詞)
  • はてな☆イリュージョン
    • (間投詞☆名詞)
  • キノの旅
    • (名詞「の」名詞)

 

 

小説タイトル:3要素型

 

3要素型は、3つの要素を組み合わせたものです。

何かしら修飾された語は、修飾込みで1要素と扱います。

要素と要素の間には、助詞や中黒が入ることが多いです。

 

以下、3要素型の具体例です。

3要素型の小説タイトル

  • 青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない
    • (名詞「は」名詞「を」動詞)
  • ダンジョンで出会いを求めるのは間違っているのだろうか
    • (名詞「で」動詞「は」疑問形の動詞)
  • 異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術
    • (名詞「と」名詞「の」名詞)
  • されど罪人は竜と躍る
    • (名詞「は」名詞「と」動詞)

 

 

小説タイトル:1要素と副題型

 

1要素と副題を合わせた型です。

副題については、内部の要素を問いません。

 

以下、1要素と副題型の具体例です。

1要素と副題型の小説タイトル

  • ユリシーズ ジャンヌ・ダルクと錬金の騎士
  • GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり
  • カンピオーネ ! 〜まつろわぬ神々と神殺しの魔王〜
  • 百花繚乱 SAMURAI GIRLS

 

 

 

読者から興味を持たれる小説タイトルの小技

 

ショウヘイ

読者の興味を引ける3要素と別に、読者から興味を持たれる小説タイトル付けの小技を紹介します。

 

 

語呂を整える

 

俳句では5・7・5の音数で作られますが、これは語呂が良いからです。

語呂の良いタイトルは、目で読んでもリズム良く読めるので、それだけで好感を持たれます。

つまり、小説タイトルの語呂を良くすることで、小説を手に取ってもらえる確率が上がるわけです(気持ち程度ですが)。

 

この小技を使う場合は、3要素型の小説タイトルが使いやすいです。

音数ですが、3音・5音・7音のいずれかを使います。5音と7音以外にも、3音も語呂が良いからです。

なお、厳密に3音・5音・7音に合わせる必要はありません。1つだけ1音ずれる程度なら、誤差の範囲内です。

また、3音・4音・5音のように、1音ずつ数が増えるタイトルも、語呂が良いとします。

 

以下、語呂が良い小説タイトルの具体例です。

語呂が良い小説タイトル

  • 化物語(7音)
  • オーバーロード(7音)
  • ココロコネクト(7音)
  • 緋弾のアリア(7語)
  • アスラクライン(7音)
  • ゼロの使い魔(7音)
  • 灼眼のシャナ(7音)
  • マグダラで眠れ
    • (マグダラで・眠れ → 5音・3音)
  • 境界の彼方
    • (境界の・彼方 → 5音・3音)
  • エロ漫画先生
    • (エロ漫画・先生 → 5音・4音)
  • ノーゲーム・ノーライフ(5音・5音)
  • 聖剣の刀鍛冶
    • (聖剣の・ぶらっくすみす →5音・7音)
  • よくわかる現代魔法
    • (よくわかる・現代魔法 → 5音・7音)
  • ブギーポップは笑わない
    • (ブギーポップは・笑わない → 7音・5音)
  • 博多豚骨ラーメンズ
    • (博多豚骨・ラーメンズ → 7音・5音)
  • アウトブレイク・カンパニー(7音・5音)
  • 電波女と青春男
    • (電波女と・青春男 →  7 音・ 7 音)
  • 犬とハサミは使いよう
    • (犬と・ハサミは・使いよう → 3音・4音・5音)
  • いつか天魔の黒ウサギ
    • (いつか・天魔の・黒ウサギ → 3音・4音・5音)
  • 灰と幻想のグリムガル
    • (灰と・幻想の・グリムガル → 3音・5音・5音)
  • 東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜
    • (東京タワー・オカンとボクと・時々、オトン → 7音・7音・7音)
  • 父は英雄、母は精霊、娘の私は転生者。
    • (父は英雄・母は精霊・娘の私は・転生者 → 7音・7音・8音・5音)

 

 

読者の共感を狙う

 

この小技は、読者が共感しやすい主人公の身分(具体例:高校生、ニート、無職など)を小説タイトルに入れて、親近感を持ってもらう方法です。

親近感を覚えた主人公が『物語で活躍して称賛される』という印象を受ければ、カタルシス経由の自己肯定を目当てにして、その物語を読む確率が上がります。

 

以下、読者からの共感を狙える小説タイトルの具体例です。

読者からの共感を狙える小説タイトル

(共感狙い先:高校生)

  • 魔法科高校の劣等生
  • 男子高校生で売れっ子ライトノベル作家をしているけれど、年下のクラスメイトで声優の女の子に首を絞められている。
  • 超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです !

(共感の狙い先:無職・ニート)

  • 成長チートでなんでもできるようになったが、無職だけは辞められないようです
  • 無職転生 ~異世界行ったら本気だす~
  • ニートだけどハロワにいったら異世界につれてかれた
  • ホームレス転生 ~ 異世界で自由すぎる自給自足生活 ~

(共感の狙い先:中年)

  • 無職独身アラフォー女子の異世界奮闘記
  • アラフォー男の異世界通販生活
  • アラフォー冒険者、伝説となる ~ SS ランクの娘に強化されたら SSS ランクになりました~
  • アラフォー社畜のゴーレムマスター
  • アラフォー賢者の異世界生活日記
  • アラフォー魔術師だけど気が付けばハーレムライフ!
  • アラフォー営業マン、異世界に起つ! ~女神パワーで人生二度目の成り上がり~
  • アラフォーおっさん異世界へ !! でも時々実家に帰ります
  • おっさんのリメイク冒険日記
  • おっさん冒険者ケインの善行
  • 万年 D ランクの中年冒険者、酔った勢いで伝説の剣を引っこ抜く

 

 

有名な一文をもじる

 

有名な一文をもじって、小説タイトルにする小技です。

もともと知名度のある一文を利用するので、もじって出来た小説タイトルに親近感が湧きやすいメリットがあります。

 

以下、有名な一文をもじった小説タイトルの具体例です。

有名な一文のもじりタイトル

  • ノーゲーム・ノーライフ
    • 元ネタ:ノーミュージック・ノーライフ
  • デート・ア・ライブ
    • 元ネタ:デッド・オア・アライブ
  • イックーさん
    • 元ネタ:一休さん

 

 

ひらがな表記で取っつきやすくする

 

ひらがなの多い文章は、柔らかな印象があります。それに対して、漢字の多い文章は、堅苦しい印象があります。

これを利用して、小説タイトルにひらがなを多く入れることで、取っつきやすい印象を与えられます。

 

以下、ひらがなが多い小説タイトルの具体例です。

ひらがなの多い小説タイトル

  • のうりん
  • りゅうおうのおしごと!
  • ざるそば(かわいい)
  • えむえむっ
  • かのこん
  • いぬかみっ!
  • けんぷファー
  • あそびにいくヨ!
  • ささみさん@がんばらない

 

 

 

面白い小説タイトルを効率よく学ぶ方法

 

読者が「おっ、この小説は面白そう!」と思うタイトルを書けるようになるには、より多くの優れた小説タイトルを目にすることも大切です。

そのような小説タイトルを何度も目にすれば、直感的に、新規読者をグイグイと引き寄せられるタイトルを思いつけるようになるでしょう。

 

優れた小説タイトルを効率よく目にする方法としては、小説家なろう日間ランキングページの上位作品のタイトルを眺めることをオススメします。

小説家になろう日間ランキングページ(総合ジャンル)

 

小説家なろう日間ランキングに掲載されるためには、新規読者が思わずクリックしてしまうような、面白い小説タイトルを設定する必要があります。

つまり、日間ランキング掲載作品の小説タイトルを眺めていれば、面白い小説タイトルの具体例を無料かつ手軽に学べるわけです。

 

日間ランキングを眺める時は、小説タイトルを流し読みしてください。1作品につき1秒で充分です。

意識に引っかかった小説タイトルだけ、普通に読み返してください。

 

あなたの意識に引っかからずに流し読みできた小説タイトルは、小説タイトルとして魅力がないと言えます。

日間ランキング掲載作品だからといって『小説タイトルとして優れている』と思い込まないでください。どれだけ総合評価ポイントが高かろうと、流し読みできてしまった小説タイトルは、参考になりません。

 

具体例として、記事執筆時点の日間ランキングの掲載作品の中から、面白そうな小説タイトルを抜粋しました。

なお、最強主人公無双系のキーワード・・・・・・たとえば『最強』『無双』『チート』『成り上がり』が入っている小説タイトルは、具体例から除外しました。

この手のキーワードは使われ過ぎていて、もはや面白味がありません。何か意外性があった場合のみ、具体例に含めることにします。

面白い小説タイトルの具体例

  • 転生したらスライムだった件
    • 冒険ゲームで最弱モンスター扱いのスライムが転生先なことは、意外性に富んでいます。後追い作品が量産されて、今となっては人外転生は珍しくなくなりましたが、発想自体は素晴らしいです。

 

  • 俺のスキル【拾う】には、勇者や邪竜ですら抗えないようです。
    • スキル・・・・・・というより普通の動作の『拾う』で、どうやって勇者や邪竜のような強力な存在を押さえ込むのか。気になりますね。

 

  • ゆるふわ農家の文字化けスキル ~異世界でカタログ通販やってます~
    • 『農家』と『文字化け』と『カタログ通販』という、一見したところでは関連性のないキーワードを組んでいる点に注目。物語の本編にて、この3キーワードが深く関連して機能しているなら、面白い小説タイトルです。意外性に富んでいて、物語のコンセプトとしても優秀です。

 

  • スキル『台所召喚』はすごい!~異世界でごはん作ってポイントためます~
    • 『台所召喚』という奇妙なキーワードに注目。『ごはんを作ってポイントをためます』という言い回しには、謎を感じます。台所を召喚して美味しい料理を作り、異世界の人々の舌を楽しませるんだろうなぁ・・・・・・と内容を予想しつつ、ちょっと本編を覗いてみたくなりますね。

 

  • 治癒魔法の間違った使い方~戦場を駆ける回復要員~
    • 「治癒魔法と言えば、負傷を治す魔法。どう工夫しても他人に害悪を与えられそうにないが・・・・・・。果たして、間違った使い方とは?」なんてことを考えさせられます。

 

  • 第三王子は発光ブツにつき、直視注意!
    • 「直視できないほど発光する王子って何者 !?  そもそも人間なのか?」と思って、あらすじに目を通してしまいました。こういう意外性と謎に富んだ言い回しは、新規読者をあらすじへ誘導できますね。面白い小説タイトルの具体例として、ふさわしいです。

 

  • レベル1だけどユニークスキルで最強です
    • この記事でも紹介した、水木なずなさんの小説タイトルです。最弱を意味する『レベル1』と『最強』という対称的なキーワードが並んでいる点に、意外性と謎を感じます。「レベル1なのに最強になれてしまうユニークスキルって何?」という好奇心もくすぐられます。安直に『転生してチート能力を手に入れて最強無双』と書いている小説タイトルに比べれば、同じ『最強』でも、はるかに魅力的です。

 

  • くま クマ 熊 ベアー
    • ひたすら『くま』を押している奇妙な小説タイトル。特に捻りは感じませんが、ありきたりな言い回しの小説タイトルと比べたら、異彩を放っています。くま、クマ、熊、ベアーと同じ意味の言葉が連続しているので、印象強いことは確かです。

 

 

 

小説タイトルが思いつかないなら、タイトルメーカーを使ってみよう

 

どうしても小説タイトルが思いつかない場合は、いっそランダム生成器を使ってみるのも1つの手でしょう。

 

小説タイトル決めに特化した診断メーカースロットメーカーなど、自動で小説タイトルをランダム生成してくれるツールは、数多く登場しています。

 

もちろん、自分で意図的に小説タイトルを作ることに比べると、読者の興味を引ける精度は落ちます。

しかし、思っても見なかったキーワードの組み合わせが生まれるので、意外な小説タイトルを発見できる可能性もあります。

 

ショウヘイ

どうしても小説タイトルを自力で思いつけないなら、着想ネタを探すという意味でも、遊んでみるといいでしょう。

 

 

小説タイトルをスロット形式でランダム生成するタイトルメーカー

 

スロット形式で小説タイトルを生成するソフトを埋め込んでおくので、試しに遊んでみてください。

切り替わり続けているキーワード欄をクリックすると、リールの回転が止まります。3つのリールを止めることで、1つの小説タイトルの組み合わせが出来る仕組みです。

スロットは、何度でも回せます。

注意

スマホから閲覧した場合は、埋め込みコードが正常に機能せずに、スロットが表示されないことがあります。

その場合は、スロットメーカー公式サイトにいって、小説タイトルのスロットを回して遊んでください。

 

 

小説タイトルのお題を自動生成する診断メーカー

 

診断メーカーは、あなたが入力した適当な文字に基づいて、作者が事前に設定したキーワードがランダム抽出されるキーワードメーカーです。

 

ショウヘイ

小説タイトル決めに役立ちそうな診断メーカーを紹介します。

似たようなメーカーをいくつも紹介しても意味がないので、組み合わせ総数が多いメーカーの中から、一般小説タイトル向けライトノベルタイトル向けの2つを選びました。

 

 

小説タイトル自動生成 ◼ ︎ ◼ ︎

小説タイトル自動生成

 

 

今時風のラノベタイトルメーカー v8

 

 

 

小説タイトルは、短いよりも長い方が人気になりやすいのか

 

小説タイトルは、長い方が人気になりやすいことは事実です。

 

次のグラフは、小説家になろうに投稿されている作品の『小説タイトル文字数と総合評価ポイント数』の関係を示す統計データです。

統計データによると、小説タイトル文字数が 35 文字以上の場合は、読者から高評価されやすいことが読み取れます。

 

ショウヘイ

ただし、単純に『小説タイトルが長い→人気になれる』というわけではありません。勘違いしないでください。

小説タイトルで物語の内容を説明したり、興味深いキーワードを入れたりした結果、自然と小説タイトル文字数が長くなるというだけです。

ふーちゃん

無駄に小説タイトルが長いだけで、つまらなくて無意味な文字が並んでいるだけでは、読者さんの興味を引けません。

また、たとえ小説タイトルで読者さんの興味を引けても、本編が面白くなかったら、高評価されませんよ。

 

 

 

ライトノベルのタイトルが長い理由とは

 

ここ数年、ライトノベルのタイトルは、長文化する傾向にあります。

 

極端な例だと、なんとタイトル文字数69文字のライトノベルも出現しています。

 

ショウヘイ

ライトノベルのタイトルが長文化する理由については、マーケティングの観点から説明します。

 

 

理由1:ライトノベル市場が飽和しているから、タイトルで興味を引こうとしている

 

あなたがライトノベル好きなら体感しているでしょうが、昨今のライトノベル市場は、商品で飽和しています。供給が需要を超えているわけです。

小説投稿サイトから引き抜き(書籍化デビュー)が盛んになっていることから、出版社同士の競争の激しさも窺えます。

 

市場に多くのライトノベルが供給された結果、1つ1つのライトノベルが目立たなくなりました。

その結果、有名作家の著作アニメ化されたというネームバリューの無いライトノベルは、『その他大勢のライトノベルの中に埋もれ、売り上げが伸びづらくなる』という苦境に立たされています。

パズル

 

 

その苦境を打開するために、『タイトルで小説の内容を説明する』という方法が採用されました。

 

小説の具体的な内容は、あらすじ、または本編を読まないと分かりません。

あらすじは、本の裏表紙に書かれているので、書籍で平積みされていても分かりません。

もちろん、本編なんて、表紙を見ても分かりません。

 

そこで、見えやすい小説タイトルで本編を紹介することで、新規読者に「この小説は、●●な主人公が▲▲の世界で活躍する物語ですよ」とアピールしているわけです。

『タイトルで本編の内容を紹介して、少しでも新規読者を獲得したい』という事情のせいで、タイトルを説明文っぽくした結果、長文タイトルになりました。

 

 

 

理由2: Web 検索を意識して、タイトルに SEO を施したから

 

Web マーケティングを意識した結果、タイトルが説明文っぽくなったという可能性です。

 

現代は、 Amazon を始めとする通販サイトからも、多くのライトノベルが売れています。

通販サイトでライトノベルを買う場合は、いちいち書店に足を運ぶ手間が省けます。また、目当てのライトノベルが商品棚に置いてなくて無駄足……ということもありません。

電子書籍の普及も加わり、 Web 経由でライトノベルを買う人の数は、急増していることでしょう。

 

つまり、 Web マーケティングを意識する必要性が増しているわけです。

そこで、ライトノベルのタイトルに SEO を施そうという動きが生まれました。

SEO とは

SEO ( Search Engine Optimization  検索エンジン最適化)

『見込み客が検索しそうなキーワード』をサイト記事のタイトルや見出しに入れることで、 Web 検索結果の上位(始めの1ページ以内)に表示させようという作戦。

 

 

たとえば、 SEO を施したいライトノベルの本編が『召喚魔法によって異世界に召喚された引きこもり無職の主人公は、召喚時の特殊効果によって最強スキルを手に入れて、魔王軍を一騎無双する』という内容とします。

この場合、 SEO で狙うキーワードを『引きこもり・無職・異世界召喚・チートスキル・最強・無双・ハーレム』とします。

 

すると、 SEO を施したタイトルは、こんな感じになります。

SEO を意識したライトノベルのタイトル

無職引きこもりの俺が異世界に !?  召喚ボーナスで入手した最強チートスキル無双して、平和とハーレムを手に入れてやるっ!

文字数:59文字(スペース無視)

 

ショウヘイ

SEO を意識してタイトルを決めるという方針は、 Web マーケティングの重要性を理解している証拠ですから、利口な判断と思います。

ただ、まあ・・・・・・やっぱり長いタイトルって鬱陶しい。

 

 

 

小説タイトル以外にも、あらすじ・冒頭(書き出し)も面白さを重視しよう

 

読者の興味を引くためには、面白い小説タイトルをつけることが最も重要です。

もちろん、読者が小説タイトルを読んだら、次にあらすじを読みます。その次は、本編の第1話(またはプロローグ)の冒頭’(書き出し)を読みます。

あらすじでも冒頭(書き出し)でも、読者の興味を引ける面白い内容を書いてください。

小説タイトル→あらすじ→冒頭(書き出し)というように、読者の興味というバトンを渡していきましょう。

 

読者の興味を引ける小説あらすじの書き方は、こちらの記事で解説しています。

あわせて読みたい
小説のあらすじの書き方&具体例まとめ|読者の興味を引ける3段構成     小説・ラノベのあらすじの書く時って、かなり悩みますよね。 単純に時系列で場面を並べるだけでは、ただの説明書きです。読者が「ん~……なんか つまらな...

 

読者の興味を引ける小説の冒頭(書き出し)の書き方は、こちらの記事で解説しています。

あわせて読みたい
小説の冒頭の書き出しのコツ&具体例|文学作品を参考にするな!     小説の冒頭の書き出しって、迷いますよね。 冒頭の書き出しが面白くなかったら、読者に「この小説、なんか つまらなそうだな」と思われて、それ以降は読...

 

 

 

小説タイトルの付け方・決め方のまとめ

 

まとめ

  • 小説タイトルは、作品の入り口。小説タイトルの段階で、新規読者の興味を引けなかったら、あらすじも本編も読まれない。
  • 多くの読者が反応してしまう小説タイトルの7属性
    • 新奇性
    • 反社会性
    • 性的
    • 快適さ
    • 社会承認
    • 自己優越
  • 小説タイトルには、本編を読んで得られる読書メリット(カタルシスの内容)を明示しよう。
  • 小説タイトルに舞台・世界観の分かるキーワードも入れて、どんな雰囲気の物語なのか、読者が推測できるようにしよう。
  • 小説タイトルの型:1要素型、2要素型、3要素型、1要素と副題型
  • 読者から興味を持たれる小説タイトルの小技
    • 語呂を整える
    • 読者の共感を狙う(想定読者と主人公の年齢や境遇を近づける)
    • 有名な一文をもじる
    • ひらがな表記にして、とっつきやすい雰囲気を作る
    • 小説家になろうの日間ランキングを眺めて、面白い小説タイトルの具体例を効率よく学ぼう。
    • 他人の小説タイトルを眺める時は、1作品につき1秒だけ使う。意識に引っかからないなら、小説タイトルに魅力が無い証拠。
    • 小説タイトルだけでなく、あらすじ・書き出し(冒頭)も、読者の興味を引ける面白い内容にしよう。
    • ライトノベルのタイトルが長くなりやすい理由は、読者市場の変化に対応するための努力。

 

この記事を知り合いに共有する
  • URLをコピーしました!
目次