どうも、ノマドクリエイターのショウヘイ( @shohei_creator )です。
ブログアシスタントのふーちゃんです。
小説・ラノベのプロット(物語の筋書き)を書く時は、どんな順番で場面を展開すればいいのか、かなり悩みますよね。
事件を起こす場所によって、展開のメリハリが左右されます。また、日常場面と非日常の場面の配合を間違えると、物語全体のバランスが悪くなります。
正しいプロットの書き方を学ぶことは、あなたの作品が人気になるか否かを決めるといっても、過言ではありません。
そこで、今回の記事では、面白い小説・ラノベを書くためのプロットの書き方について、詳しく説明します。
そもそも、プロットの意味とは
そもそも、プロットって、どういう意味でしょうか。
プロットは、英語の「 Plot 」をカタカナ表記しただけです。
「 Plot 」は、筋書きという意味です。
ただし、小説・ラノベの筋書きを意味する『あらすじ』と『プロット』は、区別して使われています。
プロットには、より詳細な筋書きという意味合いが強いです。
プロット >>> あらすじ >>> 要約
小説・ラノベのプロットの意味を定義するなら、次のようになります。
物語の始まりから終わりまで、1つ1つの場面を連結した設計図。
それぞれの場面には、5 W 1 H 【いつ・どこで・誰が・何を・どうして・どのように行動するのか】について、詳しい情報が書かれている。
なお、小説・ラノベの面白さ(売れやすさ)を重視する場合は、以下の場面を意図的に作り、適切な位置に配置します。詳しくは、三幕構成の章にて解説します。
- 主人公が大切な物を失う、または失いかける場面
- 主人公が問題(敵や事件)に追い詰められる場面
- 主人公が問題解決の手掛かりを手にする場面
- 主人公が問題解決に向けて行動を始める場面(ただし、まだ解決しない)
- 問題の規模が大きくなり、主人公が苦戦する場面(簡単に解決させない)
- 主人公に問題解決の決め手が訪れる場面
- 主人公が大活躍して、ついに問題を解決できた場面
小説のプロットを書くメリット
小説・ラノベの本編を執筆する前に、あらかじめプロットを書くことで、次のようなメリットを得られます。
- 行き当たりばったりの展開にならない。物語に矛盾が生じて、後から大幅に修正する……という失敗をせずにすむ。
- どんな場面を組み込めばいいか、事前に吟味できる。その結果、読者を楽しませられる場面ばかり厳選できる。
- 主人公の活躍を調整することで、読者がカタルシスを得やすくなる。
- 物語の展開に波(平穏と危機、幸福と不幸、希望と絶望)があるかどうか、ひと目で確認できる。
- 適切な位置に適切な場面が置かれているか、すぐに確認できる。商業用の物語を執筆するなら、とても重要。
小説のプロットを書かなくてもいいのか(いきなり本編を執筆)
他人に小説・ラノベを読んでもらって、読後の感想を欲しいなら、必ずプロットを書くことをオススメします。
小説・ラノベのプロット作成を嫌う人は、きっとこんな理由でしょう。
- ゼロから書き始めていく開拓感が好き。
- 事前にプロットを書くと、自由な物語創作を楽しめなくなる。
- キャラクターが活発に動けなくなる。
- 物語の展開は、キャラクターの意思に委ねたい。
- 自分の意図を外れた、意外な展開を楽しみにしている。
- 『決められた結末』まで書き進める作業感が嫌い。
小説・ラノベの執筆は自由なので、あなたがプロット作成したくなければ、いきなり本編を執筆して構いません。
ただし、小説・ラノベのプロットを作成しない場合は、以下のデメリットが生まれます。
- 序盤の場面展開が遅くなり、読者が退屈する(平和な日常場面が長引きやすい)。
- 行き当たりばったりの展開になる。序盤で致命的な設定矛盾があった場合は、大幅な書き直しが必要になってしまう。
- キャラクターが自由に動き過ぎた結果、展開の収集がつかなくなる。
- 不要な描写が多くなり、物語の展開が冗長になりやすい(特にキャラクタ―の会話内容)。
- どんでん返し(意外なオチ)を設定しづらい。
- 伏線の回収忘れが多くなる。
小説・ラノベのプロット作成を否定する別の理由として、プロットを書かずに執筆する小説家を取り上げる人もいるでしょう。
プロットを作成しない、もしくはプロット作成が苦手な小説家としては、森博嗣、宮部みゆき、江戸川乱歩、スティーブン・キングなどが有名ですね。
わざわざプロットを書かずとも、素晴らしい物語を生み出せるのであれば、それに越したことはありません。
ところで、あなたは数分で新曲を作れますか?
国民的人気ゲーム【ドラゴンクエスト】の音楽を作った作曲家・すぎやまこういちさんは、序曲を5分で作ったそうです。
どんな感じにしようかと考え、パッと思いついた旋律を形にしたわけですね。
ただし、すぎやまさんは「 55 年と5分で出来た」と言いました。つまり、作曲時間5分の背景には、 55 年間の作曲経験が存在します。
プロの小説家がプロット無し……つまり直感だけで整合の取れた物語を書ける理由は、膨大な執筆経験が下支えしているからです。
あなたが何十年と経験を積んだプロの小説家なら、即興で執筆してもいいでしょう。
しかし、まだ数年の執筆経験しかないなら、しっかりとプロットを書いた後で、本編の執筆に取りかかった方が無難ですね。
小説のプロットを書く前に、テーマ・コンセプト・世界観・キャラクター設定を作ろう
小説・ラノベのプロットを書くためには、まずは物語のテーマ・コンセプト・世界観・キャラクター設定を作っておきましょう。
テーマ・コンセプト・世界観・キャラクターは、物語の基盤です。これらの設定を具体的に固めておかないと、プロットは書けません。
小説のテーマの見つけ方 & 決め方は、こちらの記事で詳しく説明しています。
小説のコンセプトの考え方 & 作り方は、こちらの記事で詳しく説明しています。
小説の世界観の作り方は、こちらの記事で詳しく説明しています。
小説のキャラクター設定の作り方は、こちらの記事で詳しく説明しています。
小説のプロットの書き方【2種類】
小説・ラノベのプロットの書き方は、次の2種類が代表的です。
- ライン法
- 箱書き
プロットの書き方1:ライン法
小説のプロットのライン法とは、時系列ごとに5 W 1 H 【いつ・どこで・誰が・何を・どうして・どのように行動するのか】を書き並べた一覧表です。
ライン法の書き方は、はじめに冒頭と結末、そして見どころの場面をポツンポツンと置いておきます。その後に、空白の部分に補完場面を継ぎ足すことで、1つの物語に仕上げます。
小説のプロットをライン法で書く時は、紙のノートでもパソコンのメモ帳アプリでも、好きなものを使ってください。
プロットをライン法で書く時は、 Nola が便利ですよ。
プロットの書き方2:箱書き
箱書きとは、1つ1つの場面を箱に見立てて、場面情報【いつ・どこで・誰が・何を・どうして・どのように行動するのか】を書き込む方法です。
一般的には、1枚のメモ用紙を1場面に見立てて、そこに場面情報を書き込んでいきます。そして、多くのメモ用紙を並べることで、1つの物語のように見立てます。
箱書きは、場面情報を一目で確認できたり、場面を簡単に並び替えられたりできるメリットがあります。
ライン法よりも手間は掛かりますが、プロットを綿密に作り込みたい人にオススメです。
小説の箱書きの書き方については、こちらの記事で詳しく説明しています。
小説のプロットテンプレート
小説・ラノベのプロットを書く時に使われるテンプレートとして、次の3つが有名です。
- 起承転結
- 序破急
- 三幕構成(四部構成)
それぞれのプロットテンプレートについて説明する前に、プロットテンプレートの共通点を説明しておきますね。
小説のプロットテンプレートの共通点
小説の3つのプロットテンプレート……起承転結・序破急・三幕構成(四部構成)に共通点は、物語の展開に波があることです。
こちらの画像は、コンピューターによって、 1700 以上の物語を感情分析(文章内容から、読者が体感する感情を推測する分析手法)した研究結果です。
分析データでは、 1700 以上の物語が6つの型に分類されています。
- 継続的な上昇(立身出世型)
- 継続的な低下(悲劇型)
- 下降から上昇(起死回生型)
- 上昇から下降(失墜型)
- 上昇→下降→上昇(シンデレラ型)
- 下降→上昇→下降(オイディプス型)
6つの型には、物語の展開に波があることが共通しています。
結末がハッピーエンドであろうとバッドエンドであろうと、関係ありません。途中の展開に波がある物語は、世界中の人々から愛されています。
世界で愛される人気物語の6つの型については、こちらの記事で詳しく説明しています。より深く知りたい場合は、読んでみてください。
平坦な展開が続く物語は、人々から「つまらない物語だ」と思われます。
当たり障りのない日常場面が続いても駄目です。ずっと幸せな展開が続くのも駄目です。言わずもがな、延々と不幸な展開が続くのも駄目です。
物語にとって、平坦な展開は駄作の原因です。
プロットテンプレートの起承転結・序破急・三幕構成(四部構成)は、どれも物語に波が起こるような仕組みになっています。
それなので、起承転結・序破急・三幕構成(四部構成)は、プロットテンプレートとしてオススメされています。
それでは、起承転結・序破急・三幕構成について、具体的に説明していきましょう!
プロットテンプレート1:起承転結
起承転結とは、物語の展開を4つに区切るプロットの書き方です。
それぞれの区分の意味は、次の通りです。
- 起
- 物語の始まり。登場人物や舞台について説明する。主人公については、現在の状況(性格や社会的立場、家族や知人の構成)や過去の経験(人格形成に大きく影響した出来事など)に触れて、読者が共感・親近感を持てるようにする。
- 承
- 主人公の大切な物を失うような事件・事故などが起こり、物語の流れが変わり始める。主人公は展開に翻弄されつつも、問題解決に対して少しずつ動き始める。
- 転
- 主人公は、問題解決に役立つ好機を手にして、積極的に行動を起こし続ける。問題は大きくなるが、主人公も力を付けて、賢く立ち回る。
- 結
- 問題解決の山場を越えて、事態が収束する。主人公は、元いた平和な日常に帰っていく。
起承転結の由来
そもそも、起承転結は、4行の漢詩(近体詩)の構成を意味する言葉です。
数十秒で読み終える漢詩の構成であって、物語の構成を目的に作られていません。
4行の漢詩は、1行目から順に起句・承句・転句・結句から成ります。それぞれの句の頭文字を並べて、起承転結です。
起句・承句・転句・結句の役割は、次の通りです。
- 起句
- 歴史や人の営みを題材にして、たとえや連想を書く。すると、さまざまな方面に詩を展開しやすい。
- 承句
- 起句に内容に、少し変化をつける。ただし、まだ急激な変化をつけない。あくまでも、起句の内容を発展させるだけ。
- 転句
- 読み手を驚かすために、急激な変化を入れる。起句・承句と一見関係なさそうだが、とある点に共通性があるものを書く。
- 結句
- 起句・承句と転句の関連性を明かして、全体に調和を作り出す。
起承転結の例
次の漢詩は、起承転結の例として有名です。
転句の前後で、どのように文の意味が変化しているかに着目してください。
- 起句:「京の三条の」糸屋の娘
- 承句:姉は十六妹十四
- 転句:諸国大名は弓矢で殺す
- 結句:糸屋の娘は目で殺す
起句と承句で、糸屋(糸製品を売買する店)の娘の話に触れる。転句では、起句・承句と関係ないように思える、戦争の殺害方法について触れる。結句では「娘は目で殺す(色気で男を悩殺する)」と書いて、転句の『殺す』という共通点を明らかにする。
プロットテンプレート2:序破急
序破急は、物語の展開を3つに区切るプロットの書き方です。
起承転結に比べて、展開の波が少なく、良くも悪くも急展開になりやすいです。
それぞれの区分の意味は、次の通りです。
- 序
- 物語の始まり。登場人物や舞台について説明する。主人公については、現在の状況(性格や社会的立場、家族や知人の構成)や過去の経験(人格形成に大きく影響した出来事など)に触れて、読者が共感・親近感を持てるようにする。
- 破
- 主人公の大切な物を失うような事件・事故などが起こり、物語の流れが変わり始める。問題発生から解決の手掛かりを得るまでの展開が早い。
- 急
- 問題解決の山場を越えて、事態が収束する。主人公は、元いた平和な日常に帰っていく。
序破急の由来
そもそも、序破急は、舞楽・能楽・雅楽などの演芸の構成を意味する言葉です。
演芸は、観客が席に腰を落ち着けて、じっくりと芸を味わうことが前提です。通りすがりの人の興味を引くことを想定していません。
使われる芸能によって意味合いは違いますが、おおむね次のような意味です。
- 序:ゆっくりと動き始める。
- 破:途中から、動きに変化を加え始める。また、展開速度を上げる。
- 急:さらに展開速度を上げて、結末へ向けて軽快に突っ走る。
プロットテンプレート3:三幕構成(四部構成)
三幕構成は、物語の展開を3つ(正確には4つ)に区切るプロットの書き方です。
もともとは、映画の脚本の書き方として開発されました。
それぞれの区分の意味は、次の通りです。
- 第1幕
- 物語の始まり。登場人物や舞台を説明して、読者の感情移入を促す。伏線を張ったり、敵の影をチラつかせたりする。第2幕に入る前に、急展開に変わる問題が起きる。
- 第2幕
- 起きた問題に対する登場人物の活動が活発になる。登場人物は、前半は問題に対して受動的(逃避や迎撃)になる。しかし、途中で新情報や助力を得て、後半は攻勢(潜入や攻撃)に移る。第3幕に入る前に、決定的な新情報・助力を得て、クライマックスに突入する。
- 第3幕
- 主人公の活躍により、問題を解決する。また、第1幕~第2幕で張っておいた伏線を回収する。問題解決の過程で、主人公は何かしら成長を遂げる(主に精神面)。
小説のプロットテンプレートは三幕構成を使うべし
三幕構成は、映画という『平均2時間という映像作品』の脚本のために開発されました。そのため、長編の小説・ラノベのプロット作成に応用しやすいです。
三幕構成には、プロットポイントやピンチポイントという物語の展開が変わる節目が設けられています。
展開に波が生まれるので、読者を退屈させません。また、序盤で物語の展開を動かすので、早い段階で読者の興味を引けることも強みです。
三幕構成と比べると、起承転結と序破急は、長編の小説・ラノベのプロット作成に応用しづらいです。
起承転結の場合は、転の部分に到着するまで、物語が動きづらいという欠点があります。
起・承と進む間に、読者が退屈してしまったら「この物語、つまらないな」という烙印を押されかねません。新人賞だったら落選、 Web 小説だったらブラウザバックの原因になります。
序破急の場合は、初動が遅くて、しかも急展開になりがちです。また、ひたすら展開を加速させていくので、緊張した展開が続きっぱなしになります。展開に緩急の波が起きません。
どこかに弛緩できる場面を取り入れないと、読者が疲れてしまいます。
起承転結と序破急は、小説のプロットテンプレートとしては、扱いづらいです。
そもそも、物語を構築するために作られたテンプレートではありません。
この記事では、小説のプロットテンプレートに三幕構成を使うことを前提にします。
そこで、三幕構成の内容について、具体的に説明していきますよ!
小説の三幕構成の書き方
はじめに、三幕構成の全体像から説明していきますね。
三幕構成の全体図
三幕構成は、第1幕・第2幕・第3幕で構成されます。
第2幕は、中央のミッドポイントを境にして、前後半に分けられます。
プロットポイント1(第1幕と第2幕の境目)とプロットポイント2(第2幕と第3幕の境目)は、物語の流れが大きく変わる転換点です。
第2幕の中央にあるミッドポイントは、主人公の行動が『問題に翻弄される受け身の反応』から『問題を解決するための攻撃』に変わる転換点です。
第1幕~第3幕に使う紙幅(ページ量)の目安は、第1幕が 25 %、第2幕が 50 %(前半 25 %、後半 25 %)、第3幕が 25 %とされています。
三幕構成:第1幕の書き方
第1幕は、全体の紙幅の 25 %を使います。
全 400 ページの小説なら、最初の 100 ページまでです。
第1幕の大きな役割は、次の4つです。
- 読者の関心を引く(目を引く出来事を入れる)
- 登場人物と舞台の説明(読者の感情移入を促進する)
- 事件のキッカケになる出来事を起こす(滑らかに転換点に移れる)
- 第2幕に入るための事件を起こす(物語の転換点)
役割1:読者の関心を引く
第1幕で最も重要な役割は、冒頭に目を引く出来事を持ってくることで、読者の関心をグッと引きつけることです。
物語の冒頭で、読み手が「お、なんだか面白そうだ」と感じれば、その先の展開にも興味を持ってくれます。
反対に、物語の冒頭で、読み手が「なんか退屈な展開だな」と感じたら、その時点でつまらない物語という先入観を持たれます。最悪の場合、時間を使って読む価値は無いと判断されます。
物語の冒頭で読者の関心を引く方法は、主に5つあります。
1つ目は、登場人物の戦闘的な場面から始める方法です。
喧嘩で殴り合う、チンピラから逃げる、逃走中の犯罪者を追う、敵対組織と銃撃戦を繰り広げる、殺人を犯す、殺人現場に遭遇する、未知の生物に襲われる…… etc
2つ目は、負の雰囲気が漂う場面から始める方法です。
悪事の打ち合わせ現場、重要施設の不法侵入、窃盗・強盗、夜中の尾行、違法物(銃器や薬物)の売買、不幸な出来事の連続、薄暗いスラム街、カジノや風俗店の風景、葬式 ……etc
3つ目は、非日常的な光景から始める方法です。
宇宙空間、深海、大空、山頂、砂漠、洪水、アマゾンの熱帯林、氷河、華やかな祭り、賑やかなパーティー、楽し気な結婚式、火薬の爆発、カップルの情事、スカイダイビング、バンジージャンプ ……etc
4つ目は、何が起きているか分からない謎の場面から始める方法です。
冷凍カプセルからの目覚め、古代遺跡、高度な文化(未来都市や宇宙船など)、宇宙船の着陸、何もない空間(真っ白な室内など)、暗闇(屋根裏や牢獄など)、独特な服装の一団 ……etc
5つ目は、独特な世界観を見せる方法です。
地球に宇宙人が住んでいる【メン・イン・ブラック】、マフィアの日常【ゴッド・ファーザー】、海賊の冒険【パイレーツ・オブ・カリビアン】、そこら中でゾンビが歩く・走る【ドーン・オブ・ザ・デッド】、魔法学校の生活【ハリー・ポッター】、喋る動物や植物が現れる【不思議の国のアリス】、老化を克服して、寿命を売り買いする近未来【TIME】 ……etc
役割2:登場人物と舞台の説明
第1幕の間に、登場人物(特に主人公)と舞台について、充分に説明しておきましょう。
主人公についての説明は、特に大切です。
主人公は、読者が感情移入する存在です。言動の描写を通して、主人公の性格・趣味・家族関係・社会的地位・夢など、読者に伝えておく必要があります。
可能なら、主人公の過去の人生経験に触れて、どんな劣等感を抱いているか、何を欠落したのかについても言及しておきましょう。
読者が主人公に充分な共感・親近感を抱けば、心理的に主人公を応援したくなります。
そして、主人公が困難に直面する場面になったら、興味を持って成り行きを見届けるようになります。
主人公が大切にしている物(本人や家族の命、財産など)が敵役に おびかされる展開になるなら、事前に大切な物を詳しく描写しておきましょう。
そうしておけば、敵役が登場して主人公の大切な物がおびやかされた(または失われた)時に、読者は「大変だ! どうなるんだろう?」と感情移入してくれます。
役割3:事件のキッカケになる出来事を起こす
第2幕に入る前の転換点で、何かしらの事件を起こします。その事件に滑らかに移る準備として、事件が起きるキッカケを用意しておきます。
事件が起きるキッカケの出来事をインサイティング・インシデント(誘発する出来事)と呼びます。
たとえば、映画【コラテラル】では、客(実は殺し屋)がタクシーから降りた後、タクシー運転手(主人公)が待っていると、上から死体が降ってくる衝撃的な展開になります。
その後、戻って来た殺し屋はタクシーに乗って、次の標的がいる場所まで向かうように指示して来ます。
この展開は、第2幕の始まり(プロットポイント1)に該当します。
上記の展開に入るためには、そもそも殺し屋をタクシーに乗せる必要があります。
【コラテラル】では、主人公のタクシー運転手としての技量に感心した殺し屋は、 600 ドルを払う代わりに、1日貸し切ってくれるよう頼みます。主人公は、この頼みを承諾しました。
ここがインサイティング・インシデントです。
役割4:第2幕に入るための事件を起こす
これは、第2幕に入るためのプロットポイント1に当たります。
主人公が自ら問題に首を突っ込んだり、敵役の陰謀に巻き込まれたりして、後に引けない状況になることが必要です。
平和な日常が壊れて、未知と不安にあふれた非日常へ、主人公は足を踏み出します。
プロットポイント1で、主人公と敵役(または障害)の対立関係が出来上がります。
第2幕~第3幕では、主人公は敵役(または障害)に挑戦します。困難な状況に遭遇しつつも、知恵と力を振り絞って突破し、何かしら気づきや成長を体験します。
三幕構成:第2幕の書き方
第2幕は、全体の紙幅の 50 %を使います。
全 400 ページの小説なら、 200 ページの分量です。
アクションシーンを盛り込んで、読者を楽しまることを重視しましょう。
第2幕では、ミッドポイントを境にして、前後半に分けます。
前後半では、それぞれ中間点にピンチポイントを用意します。
ピンチポイントは、新たな問題の発生や事態の悪化です。展開の波を激しくすることで、中だるみを防ぎ、もっと読者を楽しませるための一工夫です。
第2幕の大きな役割は、次の4つです。
- 問題に対して、主人公に消極的な行動を起こさせる(逃避や迎撃などのアクションシーンで読者を楽しませる)
- 第2幕の中間(ミッドポイント)で、問題解決に役立つ新要素(情報や仲間)を主人公に渡す
- 問題を大きくして、どんどん事態を混乱させる(激しいアクションシーンを盛り込んで、読者を楽しませる)
- 第3幕に入るためのキッカケを作る(強力な情報や仲間を得て、問題解決に勢いをつける)
役割1:問題に対して、主人公に消極的な行動を起こさせる
プロットポイント1の問題に直面した主人公の多くは、驚き、戸惑い、そして逃げます。
問題に直面した直後は、主人公を活躍させません。なるべく問題を回避したがる消極的な態度は、とても人間臭くて自然だからです。
主人公は、まずは身の安全を確保することを優先します。その後、情報を集めて、現状を分析して、事態の立て直しを図ります。助けになりそうな友人・知人に連絡するでしょう。
主人公が身を潜め、態勢を立て直そうとしたところに、さらなる強力な追撃を加えます。徹底的に主人公を追い詰めることが重要です。
この段階は、第2幕のビンチポイント1に当たります。
敵役や障害に追い詰められ、主人公が苦しめば苦しむほど、読者は主人公に感情移入してハラハラします。
この段階で、主人公に何か反撃行動を起こさせても良いでしょう。
しかし、完璧に反撃が成功してしまうと、展開が急になりすぎます。
どうせ反撃させるなら、結果的に失敗させて、敵役や障害の強さを読者にアピールする機会として利用しましょう。
役割2:問題解決に役立つ新要素(情報や仲間)を主人公に渡す
第2幕の中間(ミッドポイント)では、問題解決に役立つ新要素(情報や仲間)を主人公に渡します。
主人公は、受け身の行動(逃避や迎撃)から変わり、攻勢に出ようと決意します。重要人物に会いに行く・戦力となる仲間を増やす・仲間が行動するように協力する・敵を攻撃する……など、積極的な行動を起こします。
この段階では、まだ問題解決できるほどの勢いはありません。
主人公が受動から能動に変わることで、展開に新たな緊迫感と高揚感が生まれます。
能動的になった主人公を見た読者は「このまま敵(障害)を突破できるのかな?」というワクワク感を抱きます。
役割3:問題を大きくして、どんどん事態を混乱させる
この段階は、第2幕のピンチポイント2に当たります。
攻勢に移った主人公に対して、それを上回るかのように問題を大きくして、激戦を展開します。クライマックスに入る前の一波乱です。
主人公は、強化された問題に苦戦しつつも、さらなる知恵と力を手にして、問題解決に向けて突き進みます。
役割4:第3幕に入るためのキッカケを作る
この段階は、第2幕のプロットポイント2に当たります。
攻勢に移った主人公に、問題解決に役立つ決定的な情報や助力が与えられます。
これにより、主人公の行動に さらなる勢いがついて、問題解決に向けて突っ走ります。
三幕構成:第3幕の書き方
第3幕は、全体の紙幅の 25 %を使います。
全 400 ページの小説なら、最後の 100 ページです。
第3幕の大きな役割は、次の3つです。
- 主人公を大活躍させる
- 主人公が人間的に成長する
- 伏線を回収しつつ、驚きの解決手段を導入する
役割1:主人公を大活躍させる
第3幕では、問題解決の中心人物として、主人公を活躍させましょう。鉄則です。
強力な脇役を前に出して、主人公が傍観するような展開は厳禁です。
また、ご都合主義な展開(主人公が強運に恵まれ、勝手に問題が解決する)は、読者を興ざめさせます。
多くの困難を切り抜けた主人公が、自らの手で問題を解決する。この展開があってこそ、読者は、勝利と達成のカタルシスを得られます。
役割2:主人公が人間的に成長する
問題に立ち向かう過程を通して、主人公は内面の欠落(恐怖や不安、劣等感、トラウマなど)を回復して、人間的な成長を遂げます。
旅路の果てに主人公が欠落を回復する展開は、神話や民話に共通して見られるほど、はるか昔から人々に愛されています。
誰しも、今の自分より優れた存在に生まれ変わることを望んでいるからです。
主人公の成長の具体例:【恋はデジャ・ブ】
【恋はデジャ・ブ】は、傲慢でワガママな主人公が、取材先の田舎町で同じ1日を延々と繰り返す物語です。
主人公が宿泊先のホテルで目覚めると、昨日(2月2日)に起きたことが再び繰り返されてます。
同じ1日が繰り返されていることに気付いた主人公は、はじめは当惑して、知人に助けを求めます。
しかし、それは上手くいかず、何度も同じ1日を繰り返します。
開き直った主人公は、1日がやり直される仕組みを利用して、色々と悪事を働き始めます。
女性をナンパしたり、お金を騙し取ったりなど、やりたい放題です。
やがて、何をやっても変わらないことに絶望した主人公は、自殺を試みます。
しかし、自殺した後でも、宿泊先のベッドで目が覚めて、同じ1日が始まります。投身自殺しても、バスタブで感電死しても、またベッドで目が覚めます。
死んでも逃れられないと悟った主人公は、次第に人間的な成長を遂げ始めます。
田舎町で起きるあらゆる出来事を知った強みを活かして、さまざまな人助けを始めます。カメラマンを気づかい、保険屋の商品を気前よく買い、空腹の老人に食事を与えます(この老人は病で死ぬ運命だが、どうにか助けようと主人公は足掻く)。
繰り返される1日の中で、主人公は何度でも何度でも、可能な限りの人々を救おうと努力します。
物語の終盤では、人間的に成長を遂げた主人公がヒロインと結ばれて、一緒に一夜を過ごします。
そして、主人公が目覚めると、隣にはヒロインが寝ていて、日付は2月3日に変わっています。ループ世界から戻ってこられたわけですね。
役割3:伏線を回収しつつ、驚きの展開を導入する
第3幕では、第1幕~第2幕で張っていおいた伏線を綺麗に回収します。
また、解決に至るまでに驚きの展開を導入することも大切です。
『驚きに満ちているが、納得できる展開』を挟めば、読者の心を奪い、心に残る印象深い物語りに仕上がります。いわゆる、どんでん返しです。
どんでん返しの具体例:【エスター】
【エスター】は、夫婦に養子として引き取られた少女エスターが騒動を巻き起こすサスペンス映画です。
ジョン(夫)とケイト(妻)には、マックス(娘)とダニエル(息)がいて、第3子を妊娠していました。
しかし、その第3子を流産してしまい、ケイトはアルコール依存症になるほど落ち込みます。そこから立ち直るために、第3子の代わりに孤児院で養子を引き取って、その子に愛情を与えようとします。
養子として引き取られたエスターは、とても知的で要領が良いです。
しかし、少女にしては不可解なほど、知恵の回る言動を繰り返します。特に、ケイトに対しては、どこか挑発的な言動を取ります。
また、エスターは、多くの奇妙な行動を起こします。
歯医者に行くことを拒絶したり、バスルームを使う時は必ず鍵を掛けます。首と手首に付けているバンドを外したがりません。
エスターの奇行は、日を追うごとに酷くなります。
マックスとダニエルに対して、命令を聞くように、脅迫的な行為を始めます。
孤児院に勤務するアビゲイルは、エスターの不審さに気付き、エスターの過去を調べようとします。その後、アビゲイルはエスターに撲殺されます。
アビゲイルを殺した時の凶器を隠したツリーハウスに、ダニエルが近づいた時は、先回りして証拠を燃やし、さらにはダニエルをツリーハウスに閉じ込めて焼殺しようとします。
命からがら逃げだしたダニエルは、木の上から仰向けに落下します。そこへ、とどめを刺そうとエスターが石を振りかざしますが、火事に気付いたケイトがやって来たので、結果的に殺せませんでした。
その後は、頸部損傷で入院したダニエルの病室に入り、酸素吸入器を外して、心肺停止状態に追いやります(医師の早急な蘇生処置により、ダニエルは一命を取り止めました)。
その日の夜、エスターはスリップに着替えて、ジョンを慰めようとします。そして、ジョンに対して「女性として愛して欲しい」と迫ります。
ジョンは、エスターの誘いを拒絶しました。すると、エスターは悔しそうに、いったん部屋へ戻ります。
この頃になって、ようやくエスターの正体が発覚します(物語のどんでん返し)。
ケイトは、サールン・インスティチュートという精神病院のヴァラヴァ医師から、エスターの過去について教えてもらえます。
エスターの本名は、リーナ。見た目は 10 歳前後の少女ですが、実年齢は 33 歳です。
ホルモン異常の病気により、体の成長が止まってしまっていたわけです。
精神病院では、エスターは暴れていたので、拘束衣を着用させていました。その時の名残で、エスターの首と手首には、拘束跡が残っています。
エスターがバンドを取りたがらない理由は、この拘束跡を見られたくないからです。
ヴァラヴァ医師は「エスターは危険人物で、自分が知る限りでも、最低7人は殺している」とケイトに告げます。
エスターは、以前にも養子として引き取られたことがあります。
引き取り先の父親を誘惑して、拒絶されると逆上。一家を皆殺しにした後、家に火を放ちました。
ヴァラヴァ医師の話を聞いたケイトは、急いで家に帰ります。
その頃には、逆上したエスターによって、ジョンをナイフで刺し殺されます。
家に戻ったケイトは、我が子を守るためにエスターと対決します。
しばらくの戦闘の後、池の氷の上で、ケイトはナイフを持ったエスターと対峙します。もつれあった末、2人は真冬の池の水に落ちます。
ケイトが氷上に這い上がると、エスターが「ママ」と追いすがり、ケイトの足を掴みます。ケイトは「私はあんたのママじゃない」と言って、エスターを蹴り飛ばします。
結果、エスターを真冬の池の底に沈んでいきました。
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1つ1つの質問に答えていって、プロット作成に活用して下さい。
- あなたが読者に問いたい『物語のテーマ』を教えてください。
- プロットを2~3行の文章で表して『物語のコンセプト』を教えてください。
- どの読者層を狙ってプロットを組むつもりですか? 年代や性別、身分、職業、趣味などを詳しく教えてください。
- 物語を読むことで、読者はどんなカタルシスを得られますか? 言い換えれば、あなたの作品の売りは何ですか?
- 主人公が抱えている問題を「主人公は●●●が原因で×××が欠けている」という形で表現してください。
- 主人公の欠落は、何を象徴していますか?
- 物語の始まりでは、主人公はどのような状態ですか? 次の4つから選んでください。
- 普通の人。自分の運命や能力を自覚していない状態(0)
- すでに高い社会的についていたり、優れた成功を収めたりしている状態( + )
- かつては成功者の側だったが、とある事情で落ちぶれてしまった状態(+ → -)
- 全く成功しておらず、自信を持っていない。借金や前科など、何か重苦しいものを背負っている。(-)
- 主人公に現在に大きな影響を与えた『過去の出来事』を教えてください。
- 主人公が欠落を回復するために、どのような課題をこなす必要がありますか?
- 主人公は、その課題を最終的に達成できますか?
- その課題を達成することで、主人公は何を手に入れますか? その対価として、何か失うものはありますか?
- 主人公の目的達成を妨害する敵対者は誰ですか?
- 敵対者は、どうして主人公の目的達成を妨害しますか?
- 主人公と敵対者は、どういった点で価値観や考え方が異なりますか?
- 主人公と共に行動して、目的達成を助ける仲間は誰ですか?
- その仲間は、どうして主人公を助けますか?
- 主人公が課題をこなすために、大きな力となる道具、知恵などを与えてくれる支援者は誰ですか?
- その支援者は、どうして主人公を支援してくれますか?
- 主人公にとっての『日常の世界』は、どういう場所・環境ですか?
- 『日常の世界』に脅威をもたらす出来事(インサイト・インシデント)は何ですか?
- 『日常の世界』は、どのような脅威に襲われますか? プロットポイント1の内容を具体的に教えてください。
- 主人公は脅威から逃げようとしますが、さらなる悲劇が襲い掛かります。ピンチポイント1では、何が起こりましたか?
- 主人公は、とあることがキッカケとなり、問題解決に向けて動こうとします。プロットポイント2では、何がキッカケとなりますか?
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- 主人公が目的を達成するために失ったものは何ですか?
- 物語の始まりと終わりで、主人公の生きる環境は変わりますか? 変わる場合は、どのように変化しましたか?
小説のプロットの書き方のまとめ
- プロット( Plot )の意味は、物語の筋書き。
- 創作用語のプロットとは、あらすじよりも詳細な筋書きのこと。
- プロットを書くメリット
- 行き当たりばったりの展開を回避できる
- 不要な場面を削り取りやすい
- 主人公が活躍できているか確認しやすい
- 物語に展開の波があるかどうか確認しやすい
- 読者を楽しませるために、適切な位置に適切な場面を置きやすい
- 何十年と経験を積んだプロ作家でない限り、プロットを書いてから執筆した方が良い。
- 主流のプロットテンプレートは、起承転結・序破急・三幕構成の3つ。
- 長編の物語を作るなら、三幕構成がオススメ。
- 第1幕の役割
- 読者の関心を引く
- 登場人物と舞台の説明
- 事件のキッカケとなる出来事を起こす
- 第2幕に入るための事件を起こす
- 第2幕の役割
- 問題に対して、主人公に消極的な行動を起こさせる
- 第2幕の中間で、問題解決に役立つ新要素(情報や仲間)を主人公に渡す
- 問題を大きくして、どんどん事態を混乱させる
- 第3幕に入るためのキッカケを作る
- 第3幕の役割
- 主人公を大活躍させる
- 主人公が人間的に成長する
- 伏線を回収しつつ、驚きの解決手段を導入する