小説・漫画の新人賞を取りやすい戦略|ビジネス思考の創作論

実績の高さを示すトロフィー

 

どうも、ノマドクリエイターのショウヘイ(@shohei_creator)です。

 

小説家・漫画家のような物語作家を目指すなら、誰しも新人賞を取りたいですよね?

新人賞を取れれば、書籍化は確実です。

作家として身を立てるにせよ、作品のアニメ化を目指すにせよ、まずは新人賞を取れなければ始まりません。

 

今回の記事では、ネットビジネスの実践で培ったビジネス思考に基づいて、小説・漫画の新人賞を取るための戦略を考えてみました。

 

 

出版社にとって、小説や漫画(物語作品)は何か

 

まず初めに理解しておくべきことは『出版社にとって、小説・漫画は何か』ということです。

これが分かっていないと、新人賞を開催する出版社に対して、的外れな作品を応募しかねません。

 

 

結論を言うと、出版社にとって、小説・漫画は『会社に利益をもたらす商品』です。

もっと突き詰めれば、小説・漫画という商品を販売して得られるお金を求めています。

札束 万札

 

 

創作文化の発展だの、新人作家の発掘だの、色々と建前は使うでしょうが・・・・・・最終的に欲しい物は、小説・漫画を販売して得られる企業利益です。

まずは、このことを念頭に置きましょう。

 

 

これが理解できていない作家志望は、出版社の新人賞に商品価値の無い紙束を送り付けて、出版社の審査員から「あ、これ商品価値が無いわ。いらねっ」と捨てられます。

 

 

 

応募作品の小説・漫画に、作者の個人的な思想や価値観は求めていない

 

出版社が応募される小説・漫画に求めているものは、純粋な商品価値です。

商品価値の高い商品とは、市場(読者)の需要に的確に応えて、より多くの売り上げを得られるものです。

 

小説や漫画は、娯楽物です。

出版社としては、物語の世界観や登場人物たちのやり取りで、読者が楽しめれば、それで良いのです。

 

『物語を通して、私は世の中に●●を訴えたい』というような、作り手側の思想・価値観なんて、出版社は求めていません。

作り手の思想・価値観を作品に盛り込んだ結果、読者が楽しめる度合いが減るようなら、それは出版社が望むところではありません。

 

小説家・漫画家は、読者を面白がらせる小説・漫画を製造してくれるだけで良い。

それが出版社の本音です。

 

 

 

新人賞の応募作品は、第一に出版社の需要に応えるべし

 

出版社には、出版社が作ろうとしている何かしらのブランドイメージがあります。

企業が競合他社と闘って生き残るためには、自社の強みを活かせるブランドイメージを押し出して、他社と差別化を図る必要があります。

他社と差別化できれば、それを軸にして商品開発・宣伝告知・商品展開することで、より優位な立場で企業運営できるからです。

差別化 強み

 

 

出版社のブランドイメージの大部分は、出版する作品の内容によって決まります。

ブランドイメージを強化する作品は歓迎されます。

反対に、ブランドイメージを損なう作品は拒絶されます。

 

 

出版社が求める作風は、第一に応募要項の募集内容(長短編・ジャンルなど)で分かります。

第二に、過去に受賞した作品の傾向から読み取れます。

受賞作品は、出版社が求めている作品の合格例だからです。

 

新人賞を取りたければ、まずは出版社が求めている作風を汲み取ってあげて、その作風に沿った小説・漫画を作るようにしましょう。

 

 

 

小説・漫画の世界観や舞台設定、キャラクター造形は、読者にカタルシスを与えることを追求する

 

読者が日常から離れて、わざわざ空想の物語を読む理由は何か。

それは、物語の登場人物を通して、日常で満たせなかった願望を擬似的に叶える為です。

笑顔で本を読む女性

 

 

創作業界では、【読者が心の中に溜めこんでいる欲求を解放して、胸がスッとする清々しい快感を得られること】をカタルシスと呼んでいます。

売れる小説・漫画の共通点であるカタルシスについては、こちらの記事で詳しく説明しています。

売れる小説・漫画の書き方|人気作になる物語の共通点【カタルシス】

2016.04.23

 

 

カタルシスは、言わば読者の需要です。

消費者の需要を的確に満たせる商品があったら、爆発的に売れる人気商品となります。

同じように、より強烈で、より多くのカタルシスを読者に与えられる物語は、爆発的な人気作となります。

 

 

昨今では、異世界転生・異世界召喚最強主人公の無双劇が人気を集めています。

この理由は、近頃の読者が抱えている『日常で満たされない願望』を擬似的に叶えて、カタルシスを得られる物語だからです。

補足

【ショウヘイの個人的な推測】

異世界転生・異世界召喚ネタが好まれる理由は、日本の経済が豊かになり、若い人たちが大した苦も無く生きられるようになったからだと思います。

就職に失敗してニートになったり、ブラック企業を辞めて失業したとしても、基本的に野垂れ死にません。

さほど必死に生きる必要は無く、学校生活・会社生活に面白味は無く、かと言って人生を捧げるほど熱中できる信念も無く・・・・・・。

やり場のない【現実に対する虚無感】を効率よく解消できる手段こそ、主人公に感情移入しやすくて、かつ現実世界で味わえない刺激に満ちた『異世界転生・異世界召喚』の物語だったというわけです。

フルダイブMMORPGネタが流行っている理由も、根底は同じです。

 

俺TUEEE無双劇が好まれる理由は、強さによる自己優越感・万能さによる自己肯定感・社会的承認・社会的地位の確立・異性からの好意・・・・・・その他諸々の願望を満たしやすいからです。

 

 

 

売れる小説・漫画を書きたいなら、想定する読者像を明確にせよ

 

読者に効率よくカタルシスを与えるためには、その読者のことをよく知っておく必要があります。

想定する読者像を明確にすればするほど、その読者が抱えている【現実に対する不満感】が推測しやすくなります。

 

 

ビジネス用語では、理想の見込み客を象徴する架空人物のことをペルソナと呼びます。

 

年齢・性別・趣味・社会階級・口癖・1日の過ごし方・交友関係・夢や目標・日常に対する悩みや不満・・・・・・などを固めることで、理想の想定読者(ペルソナ)を作れます。

見込み客の想定イメージ

この画像は、Facebook 広告ターゲティングの極意を伝授!ターゲットをピンポイントで狙い撃つための手順とは? (https://markezine.jp/article/detail/19672)より引用させて頂きました

 

 

いったん想定読者像が固まれば、彼らの需要(どんな物語を求めているか)を推測しやすくなります。

 

最も正確に想定読者の需要を読み取る方法は、想定読者と全く同じ生活を送ってみることです。

1日の行動に始まり、趣味や口癖を真似てみることで、実体験から想定読者の感性に共感できるようになります。

 

20代の作家の方がライトノベルを書きやすいと言われている理由は、作者自身が若いからこそ、高校生のような若い読者の感性を理解しやすいからです。

想定読者の感性を理解できるからこそ、読者が求める物語を作りやすい事実は、とても理にかなっていますね。

 

 

 

想定読者の不満表を作成して、不満を解消できる要素を小説・漫画の設定に組み込む

 

想定読者の不満表とは『読者が現実の日常に対して抱いている不満の一覧表』のことです。

 

 

繰り返し伝えますが、読者が空想の物語に触れようとする理由は、物語の登場人物を通して『現実の日常生活で満たせなかった願望』を擬似的に叶えて、カタルシスを得るためです。

 

想定読者が日常に抱いている不満の内容が明確に分かれば、それを解消する物語の設定を思いつきやすいですよね。

カタルシスは、読者に与えられれば与えられるほど、商品価値の高い小説・漫画となります。

それなので、より多くの読者の不満を把握しておくために、ひと目で分かる不満表を作った方が良いわけです。

 

 

どのように想定読者の不満を調べるかは、作者側が推測するしかありません。

日常に対して抱く不満は、想定読者自身も明確に把握していない『ふわふわした虚しさ』です。たとえアンケートを取ろうにも、明確な答えは書けないでしょう。

 

想定読者の人物像を明確にしておくことで、どんな不満を日常に対して持っているのか、推測しやすくなる利点もあります。

不満表の作成のためにも、想定読者の人物像を固めておきましょう。

 

 

 

主人公の人物像は『想定読者の自己投影しやすさ』を重視する

 

読者に強烈なカタルシスを与える条件の1つは、自己投影のしやすさです。

 

カタルシスは、物語の登場人物を通して『読者が物語の出来事を擬似体験する』ことによって起きます。

擬似体験の濃度は、登場人物に対する『読者の自己投影の強さ』で変わります。

登場人物(特に主人公)に共感できる要素が多く、自己投影しやすいほど、読者は強烈なカタルシスを味わいやすくなるのです。

 

 

登場人物に読者が自己投影しやすいためには、『登場人物の人物像』と『想定読者の人物像』が近いことが大切です。

 

中学生・高校生・大学生の読者層が多い作品(例:ライトノベル)は、主要な登場人物が学生(特に高校生)であることが大半です。

この理由は、中~大学生にとって、学生である主要登場人物に共感・親しみを覚えやすくて、自己投影しやすいからです。

勉強する高校生

 

 

 

 

物語の構成は、人気作の物語から真似るべし

 

物語の構成(どんな世界観・どんな舞台・どんな登場人物)を組み始める時は、すでに人気になっている作品の物語を真似ることをオススメします。

 

結果があるためには、必ず原因があります。

人気作としてヒットする作品には、人気になる原因があります。

人気の原因を調べ明かして、自分の物語の構成に組み込むことこそ、新たな人気作を作る近道です。

 

言い換えれば『王道を行け』ということですね。

 

 

王道を進みつつ、陳腐化を回避する

 

王道化は、陳腐化と隣り合わせです。

陳腐とは

ありきたりで、面白味や新鮮味のないこと。

 

 

王道要素を詰め込んでばかりいると、

「あれ、なんかどっかで見たような物語だな」

と思われてしまう、ありきたりな小説・漫画になります。

 

 

陳腐化した物語の具体例は、無料投稿サイトに無数に転がっています。

  • 不慮の事故で死んだら、異世界に転生した
  • ゲームを遊びつつ寝落ちしたら、異世界に転送(召喚)された
  • 幸運(神の加護など)に恵まれ、超人的な能力値や資産を得て、無双する
  • 異能が普及した学園で、主人公が大活躍して、なんだかんだハーレム化

 

 

差別化を図らず、流行ばかり追っていると、陳腐な作品になりがちです。みながみな、同じことをやり始めるからです。

ビジネスの世界では、流行を後追いする商品は、低価値の量産品として扱われます。商品自体に、独自性・希少性が無いからです。

たとえるなら、ダイソーのような百円均一ショップで売られる模造商品ですね。

画像引用元:DECKS|ザ・ダイソー(https://www.odaiba-decks.com/shop/tenant/-7-1.html)

 

 

作品の陳腐化を回避するには、これまでの王道作品と『明らかに違う要素』を導入して、既存作品と差別化を図る必要があります。

差別化に導入される要素は、以下の2つが代表的です。

差別化に導入される要素
  • 作者が人生経験で身につけた強み(専門的な知識など)
  • 常識と反する意外な設定

 

 

専門知識による物語の差別化

 

素人が2~3日で調べた程度では扱いきれない、専門的な知識を組み込んだ物語は、とても希少性が高いです。

ごく普通の一般人が応募する新人賞であれば、物語の設定が似通った応募作品は、ゼロに近くなります。

 

具体例は、刃牙です。

刃牙には、古代から現代に至るまでの多種多様な格闘術が、これでもかと言わんばかりに盛り込まれています。

生半可な格闘技オタクでは、あれほど広範かつ深い格闘知識を集めることは出来ません。

画像引用元:TVアニメ「バキ」公式サイト(http://baki-anime.jp/)

 

 

 

意外な設定による物語の差別化

 

意外な設定とは、たとえば『現実世界の常識とかけ離れている』や『物語の世界観・舞台設定に逆らう』ということです。

 

いくつか具体例を挙げていきます。

 

1つ目の具体例は、幼女戦記です。

幼女戦記は、エリートサラリーマンが幼き少女ターニャ・デグレチャフとして異世界に転生して、戦場で活躍する物語です。

現実世界の常識では、戦場は『大人の男性』が武器を持って戦う場所です。

女性であり、かつ非力な幼女の主人公が戦場を駆って活躍する光景は、常識外れで意外性に富んでいます。

画像引用元;カドカワストア|幼女戦記 アニメ完全設定資料集(https://store.kadokawa.co.jp/shop/g/g321702000179/)

 

 

次の具体例は、とある魔術の禁書目録です。

この物語では、舞台となる学園都市では、当たり前のように超能力が使われています。また、学園都市外部の『宗教要素の強い地域・国』では、魔術が当たり前に使われます。

主人公の上条当麻は『超能力・魔術の両方を無効化する特異能力』を右手に宿しています。

超能力・魔術が飛び交う世界において、それらを無効化する上条当麻の存在は、真っ向から世界観に逆らう意外な存在です。

画像引用元:とある魔術の禁書目録Ⅲアニメ公式サイト(http://toaru-project.com/index_3/)

 

 

もう1つの具体例は、IS(インフィニット・ストラトス)です。

ISの物語では、女性のみが扱える世界最強兵器『インフィニット・ストラトス』が登場します。

しかし、男主人公の織斑一夏は、なぜかインフィニット・ストラトスを扱えてしまいます。結果、インフィニット・ストラトスを使える世界で唯一の男として、女子学生ばかりの育成学校に入学させられます。

織斑一夏は、インフィニット・ストラトスの設定に逆らう意外な存在です。

画像引用元:IS<インフィニット・ストラトス>2公式ホームページ|TBSテレビ|キャラクター(http://www.tbs.co.jp/anime/is2/chara/)

 

 

小説・漫画の新人賞は、新商品開発のコンペティション

 

ここまで記事を読んでくださったなら、小説・漫画の新人賞は、新商品開発のコンペティション(競争会)であることを理解できたでしょう。

 

再三にわたって伝えますが、新人賞に応募される小説・漫画は『商品価値の高さ』を重視されます。

創作物の芸術性や文化財としての価値など、出版社は求めていません。

 

 

  1. 娯楽物としての商品価値があるか。
  2. より多くの読者を楽しませられるかどうか。
  3. 出版社に多額の利益を生み出してくれるかどうか。

 

上記の3点を意識して、商品価値のある小説・漫画を作り上げましょう。

 

 

 


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